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アメリカへの不動産投資投資のすべて|節税対策やメリット・デメリットなど

アメリカへの不動産投資投資のすべて|節税対策やメリット・デメリットなど

海外不動産投資は高い利回りが見込めることから、資金に余裕のある人を中心に人気を博しています。

ただし、投資対象として選んだ国によっては、不動産の価格が大幅に下落したり、日本への送金に制限があったり、期待した通りのリターンが得られない可能性もあるので注意が必要です。

こうした不安を払拭するために、アメリカを対象とした不動産投資がおすすめです。
この記事では、アメリカの不動産市場へ投資することの是非について、多角的に検証しています。海外不動産投資を行いたいと思いつつ、投資対象の選択に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

アメリカの情勢

日本人にとって比較的なじみ深いアメリカですが、投資するために必要な知識を有している人は少ないのではないでしょうか。
人口や通貨など、基礎的な知識を仕入れておきましょう。

人口と年層の区分

2022年7月時点のアメリカ合衆国の人口は3億3,329万人です。2021年7月と比べると、125万人の人口増となっており、1年間の人口増加率は0.4%に上ります。

ちなみに、アメリカの2021年の合計特殊出生率は1.66です。2.0を超えなければ、長期的には人口は減少するはずが、人口が増加傾向にあるのはどうしてでしょうか。

2021年には30万人弱の移民を受け入れており、結果として若い年齢層の人口も確保されているのです。
15~64歳の生産年齢人口は66.2%で、年齢構成からも経済が継続的に発展することが予想されています。

扱う言語と情報収集のしやすさ

アメリカが使用している主要な言語が英語であることも、不動産投資に適している国である特徴です。

英語は日本人にとっても身近な言語で、簡単なやりとりなら問題なくこなせる人も多いでしょう。Google翻訳を始めとする翻訳ツールが一般に広く利用されていることから、インターネットや書籍を利用した情報収集がしやすい点もメリットといえます。

海外不動産投資を行う際には、契約の内容を理解することで詐欺やぼったくりを防ぐことも大事な要素になります。アメリカでは契約書も英語で記載されているので、内容に不備がないか確認することも容易です。

通貨と平均的な為替レート

アメリカでは「ドル」通貨が利用されます。日本でも毎日ニュースで為替レートが紹介されることから、日本円に次いで身近な通貨です。

為替レートの推移は以下です。

年月1ドル
2000年1月106.90円
2010年1月90.19円
2020年1月109.04円
2023年1月130.15円
為替レートの推移

2023年はアメリカで進行した急激なインフレを抑え込むため急速な利上げが行われ、円安・ドル高が進行しました。
しかし2021年までは1ドル100円~110円の間を推移しており、インフレや利上げが一段落すれば、おおむね元の範囲に戻ることが予想されます。

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日本とアメリカの不動産の違い

なじみ深い国であるアメリカですが、不動産に対する価値観は日本人と異なるようです。アメリカで海外不動産投資を行う上で必要な常識を身に着けましょう。

建物価格が低下しにくく中古物件が流通している

アメリカと日本、不動産に対する姿勢の違いで最も大きなものは中古住宅に対する姿勢です。
日本での住宅流通のうち中古住宅の割合は14.7%に過ぎません。一方でアメリカでは、住宅流通のうち83.1%を中古住宅が占めます。

中古住宅の高い流通率を支えるのは、建物価格が下落しづらいアメリカならではの文化と仕組みです。

リフォームをして住みやすい住宅にする文化がある

文化的側面で注目するべきは、アメリカのリフォームに対する姿勢です。
アメリカでは、家を売却するとき売主がリフォームするのが一般的です。その理由は、中古物件が高額で売却できることにあります。
売却のときに、経年劣化した部材や傷があると資産価値が減ります。そこで、専門業者に依頼したり、DIYで修理・補修する文化が根づいています。

一方日本では、築年数が経過した物件は安値で取引されます。そもそも一度購入したら住み続けるため、家を資産・投資対象として捉える文化がなく、積極的にリフォームする意識が働きません。
こうした、リフォームを行い資産価値を高める意識の違いは認識しておくべきでしょう。

新築よりも中古物件の方が高額になる場合がある

適切なリフォームが行われた中古住宅は、新築住宅よりも高額になるケースも散見されます。その要因は、リフォームでより住みやすく改築されることもありますが、アメリカならではの新築住宅の供給量の少なさも関係しています

アメリカでは、土地の開発や住宅の建築に対して、非常に厳しい検査があります。日本でも建築確認申請など同様の審査はありますが、アメリカの方が審査のハードルは高いようです。
また、アメリカでは都市ごとにマスタープランが策定されていて、エリアごとに建築してよい建物の種類や数が厳密に決められています。こうした建築への許認可のハードルの高さが、新築住宅の供給量を絞り、中古住宅の価値を高めているのです。

物件購入時はエージェントが必須

日本で不動産を購入する場合、不動産業者を訪ねて、宅建士資格保有者に相談します。アメリカでは、不動産業者はブローカーと呼ばれ、宅建士資格保有者はエージェントと呼ばれます。
不動産についての相談や購入の手続きを行う際、投資家が直接やりとりするのはエージェントです。

広大な国土を有し、法律や税務が州によって異なるアメリカでは、現地の情報に詳しいエージェントの存在が重要になります。また、物件の選定・契約・管理など、現地での実務が度々発生する不動産投資は、エージェントに頼る状況が多く生まれます。
現地情報に加えて、人柄も信頼できるエージェントを見つけられれば、アメリカでの不動産投資の成功確率を高められるでしょう。

駅の近くが高額物件というわけではない

日本では、基本的に駅の近くであるほど不動産の価値は高くなりますが、アメリカでは駅との距離よりも学区が重視されます。

駅との距離が重視されない理由のひとつは、アメリカは日本と比べて車を重視しているからです。広大なアメリカでは電車やバスなどのインフラが不足しているため、基本的に移動には車を利用しており、相対的に駅の重要度が低いのです。

また、アメリカでは学校は1から10の10段階評価がつけられており、評価の高い学校には高学歴・高収入の階層の人々が集まります。結果として固定資産税が上がり、治安はよくなり、不動産価値が上昇する好循環が生まれ始めます。

こうして駅の近くよりも、評価の高い学区のエリアで中古住宅が高額取引されるようになります。

物件の供給量が増えて住みたい人の手に届いている

常に新築住宅をハウスメーカーが供給し続け中古住宅の人気が低い日本の状況と、需要超過で売り手市場のアメリカとの差も語られやすい特徴です。しかし、最近はこの流れが変わってきているようです。

今までは住宅の需要に対して物件の供給が追いついておらず、1つの不動産に10や20の買い手がつくことも珍しくありませんでした、価格が吊り上がるとともに、居住用の住宅として購入したい人の手に渡らなかったのです。
インフレ抑制対策としての金利の上昇を受けて、投資家の間では物件を買い控える傾向が見られます。市場に流れる物件の数が増えるとともに、価格が下がりつつあるようです。

金利が上がったことで不動産を手放す人が増えている

2023年のアメリカの不動産市場は、需要の減退が顕著です。その理由は高止まりする住宅ローンの金利にあります。
2022年10月の住宅ローン金利は3.23%でしたが、2023年10月には6.94%と、金利はおよそ2倍の高水準となりました。

金利の上昇を受けて、2022年7月頃から住宅購入の契約解除が相次ぐとともに、住宅ローンの値上がりに耐えられない人が不動産を手放す動きが加速しています。

物件に空きができたことで需要を満たしやすくなっている

契約解除を行う人や不動産を手放す人が増える中で、新たに不動産を購入する人は減少していますが、アメリカでは供給過多に陥ってはいないようです。

過熱気味の住宅市場において手が出なかった「本当に住宅に住みたい人」は、買い手の少ない中で狙った物件を取得しやすい状況になっています。不動産価格の上昇局面でも下落局面でも、一定の需要があり続ける点がアメリカの不動産市場の強みといえるでしょう。

購入後に修繕し売却するという流れを掴む

アメリカで利回りの高い不動産投資を目指すなら、購入・修繕・売却という流れを掴むことが大切です。

先述したとおり、アメリカでは中古物件に高い不動産価値が認められていますが、さらに価値を高めて売却するために、修繕してから売却するのが一般的です。
ここで、すぐに現金が欲しい売り主がいるとします。修繕費用の捻出が難しかったり、リフォームを行う時間も惜しい場合に、市場価格よりも低い値段で購入できる可能性があります。

こうした物件を入手して、買い主がリフォームを施して売却できれば、高い利回りが得られるでしょう。築年数と不動産の価値がリンクしている日本の不動産市場では、実行するのが難しい投資手法といえます。

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アメリカ不動産のおすすめポイント

海外不動産投資を行う場合、アメリカだけではなくEUやオーストラリアなど、様々な国が投資対象になります。その中でもアメリカをおすすめできる理由は何でしょうか。

先進国の中では人口増加が進んでいる

投資適格・不適格を判断する基準のひとつは、人口の増減です。
人口が増えていれば、戸建て・アパート・マンションといった住宅への需要が増えるため、不動産価格は上昇します。また、入居希望者が増えることから空室リスクも減らせるでしょう。

一方で人口の増加スピードが急激で不動産価格が急騰する場合でも、法整備が十分でなく詐欺やぼったくりで資産を失ってしまっては元も子もありません。その点アメリカは法整備がしっかりしていて買い手・売り手の権利が守られているため安心して投資できます。

法制度がしっかりしている先進国の中で人口が増加傾向にあるアメリカは、世界的に見ても珍しい国といえるでしょう。

不動産取引の制度やネットワークが安定している

海外不動産投資で高い利回りを狙うなら、発展途上国の物件を購入するのも手です。しかし安全な不動産取引が行える適切な法整備が行われていないことや、不動産の情報を取得するためのデータベースが整っていないことなど、安心して不動産取引が行える環境にないことが問題です。

一方で投資に関する法整備が行われ、MLS(アメリカの不動産情報システム)の利用により、売り手も買い手も豊富な情報にアクセスできるアメリカでは、途上国と比べて安心・安定的な取引を行える点がメリットです。

現地の銀行でローンを組みやすい体制が整っている

不動産投資を行う際、レバレッジを効かせて効率的に大きな金額を投資することで、手元の資金以上のリターンが見込めます。
しかし、途上国を中心に外国人が融資を受けるのは困難なケースが多いのが実情です。

アメリカの銀行の場合は、外国人でも融資を受けられるローン商品が存在する点が魅力的です。
日本での不動産投資のように、購入金額の全額を融資で賄うフルローンを利用するのは困難です。しかし、一定程度の金額を自己資金から捻出したり、米国の不動産を担保に入れることで利用できる商品は存在します。

好条件の物件が見つかったとき、一部でもローンに頼れる環境下にあることで物件選択の自由度が高くなるでしょう。

ドル資産を持つメリットが大きい

アメリカの不動産を所有することは、間接的にドル建ての資産を持つことになります。円以外の資産を持つこと自体にもメリットが生まれる点にも注目です。

基軸通貨なので資産として信頼性が高い

アメリカドルは世界中の様々な場所、取引で利用される基軸通貨です。保有することで、日本円だけを保有する場合と比べて利用できる投資商品・サービスの幅が広がります

ドルからユーロやスイスフランに有利なレートのときに変更することもできますし、日本円では直接購入できない種類のアメリカの債権・投資信託・株式への投資も可能になります。

また、海外に渡航した際に、アメリカは当然のこととして、アメリカドルを通貨として利用する、アメリカの支配地域や自由連合盟約を結ぶ国でそのまま利用することも可能です。

米ドル建て資産を保有することで、投資対象や海外を含めた暮らし方の幅が広がります。

円安時に最適な通貨

為替相場に大きな変動が生じたときも、ドル建て資産を持つことでリスクヘッジが可能になります。
2022年2月から、日本では大幅な円安相場に陥っています。アメリカドルで資産を保有していた場合と比べて、実質的な資産が大きく目減りしている状態です。

もしアメリカドル建てで資産を保有できていたなら、大幅に円安になったとき、ドル建ての資産を売却して大きな利益を得られていたかもしれません。

今後、アメリカの利上げ幅縮小により円安傾向は解消されることが予想されていますが、今後再び円安になる可能性は捨てきれません。ドル建てで資産を保有しておくことは、今後の資産運用においてリスクヘッジできる武器となるでしょう。

海外投資家に取引の規制をかけていない

海外の多くの国では、外国人が建物全体を所有したり、土地を所有することに制限を設けています。たとえばシンガポールでは、住宅用の更地を所有するには法務大臣の許可が必要になります。許可が不要な物件もありますが、コンドミニアム内の一部などに限られ、外国人の所有は制限を受けます。

他の国でも何らかの制限がある中で、アメリカでは外国人の不動産所有に制限を設けていません
土地を購入して開発する、一棟全体を購入してフルリノベーションするといった大規模な投資を行える点も魅力的です。

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アメリカの不動産投資でかかる税金

海外不動産投資を行う上で、税金に関する知識は必ず必要になります。表面上の利回りがよくても、税金など各種費用を差し引いた実質的な利回りが低ければ意味がないからです。
アメリカで不動産投資を行う場合の税金について学びましょう。

不動産購入時に発生する税金

税金・費用金額
購入時の税金なし
ホームインスペクション費用約500ドル
エスクロー費用売買価格の1~2%

アメリカでは、不動産を購入する際の税金は設定されていません。税金のことを考える場合は、運用時と売却時のことだけを考えれば問題ありません。

ただし、ホームインスペクションの費用およびエスクロー機関に支払う費用が必要である点に留意しましょう。
ホームインスペクションは建物の健康観察です。各種設備が問題なく利用できるか、水道管からの漏水や屋根からの雨漏り跡がないか、調査を行います。
エスクローとは、売り主と買い主の間に入り、決済が完了するまでの安全な取引を保証する制度で、アメリカでは盛んに用いられています。

購入時に税金は不要でも、安全に取引を完了するための制度への支出は発生します。

賃貸運用時に発生する税金

税金金額
固定資産税住宅の時価の約2%
所得税10~37%(連邦個人所得税)
0~11.5%(州税、州によって異なる)

続いて不動産を運営するときに生じる税金は、主に固定資産税が挙げられます。土地・建物の保有に対してかかる税金で、日本でもなじみ深いものです。

日本と異なるのは州によって税率が異なることです。投資対象としているエリアの税率把握は、正しい利回り計算に不可欠です。また、州によっては居住用と投資用とで税率が異なるケースがあるので、必ず地域ごとに確認することが求められます。

なお、米国で行った納税は日本で確定申告する際に外国税額控除として計算でき、還付金として戻ってくる可能性があります。

不動産売却時に発生する税金

税金金額
不動産譲渡所得税短期(保有期間1年未満):10~35%
長期(保有期間1年以上):15%
州税0~11.5%(州税、州によって異なる)
不動産会社手数料約6%
エスクロー費用売買価格の1~2%

不動産を手放す場合は、不動産譲渡所得税と州税を支払う必要があります。
不動産譲渡所得税は、不動産の売却金額に対して支払う税金です。加えて州ごとに定められた州税を支払うこととなります。ただし、不動産譲渡所得税も州税も源泉徴収されるもので、確定申告を行うことで還付されるケースも多いようです。

アメリカでの税金の支払いを終えたあと、日本でも売却益の20%を支払うことになりますが、こちらも外国税額控除を利用できるので、日本での納税額からアメリカでの納税額を差し引いた金額を支払います。

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アメリカの不動産投資でおすすめの地域

アメリカで不動産投資を行う場合、特に気にしたいのは投資対象とするエリアです。国土が広大で州によって特色や税金が異なるため、エリアを慎重に絞りましょう。

カリフォルニア・ニューヨーク

都心部は高額な物件が多く、高い利回りが見込めます。代表的なのはカリフォルニア州、およびニューヨーク州です。

カリフォルニア州は全米1位の農産物販売を誇ると同時に、IT系スタートアップが集まるシリコンビーチを擁しています。その多様な産業構造から世界中から人が集まっています。
結果として州の人口は増加傾向にあり、住宅価格も同様に上昇を続けています。日本人が多いこともあり、日本人エージェントを簡単に探せる点もメリットといえるでしょう。

ニューヨーク州もカリフォルニア州に劣らず、世界中から人・モノが集まるエリアです。
土地価格が高額であることから、持ち家率が低い特徴を持ち、結果として賃貸物件への需要を維持し続けています。安定した需要は住宅価格の底堅さにもつながり、保有することで安定したインカムゲインが見込まれるとともに、資産価値が上昇することも期待できます。

テキサス

人口の増加率が高い地域として知られるのはテキサス州です。過去10年間の人口増加数が400万人で最多とするデータもあり、現在も増加傾向は変わりません。

テキサス州に人やモノ、企業が集まるのには2つの理由があります。
1つ目は州税が設定されていないことです。州によっては法人の州税が10%を超える地域もありますが、テキサス州ではゼロです。
2つ目は生活コストが安価であることです。賃料を始めとするモノ・サービスが安価であるため、高い所得を得ていなくても生活が成り立ちます。

こうした環境下で人が集まり、人口は増加傾向にあります。住宅への需要増にもつながっていて、不動産価格も上昇傾向にあります。ただし、不動産市場が成熟したニューヨークなどと比べて価格の上下動が激しいので、物件の選択には注意が必要です。

ハワイ

日本人にとって身近で現地の姿を想像しやすいハワイ州は、リビングやキッチンに家具が備え付けられたコンドミニアム型のホテルが主要な不動産投資対象です。
対象とする顧客は観光客になるので、観光産業の景気によって空室リスクが左右される点が特徴です。

不動産投資の対象としてハワイを選択する人も多いことから、現地在住の日本人エージェントが多いことも特徴的です。英語が話せない人でも、物件の詳細や不明点を日本語で聞ける点は安心感につながります。

ハワイは継続的に高い観光需要があることから、日本人だけでなく外国人にとっても投資対象になっています。競合が多いことから不動産価格は高額になりがちです。実質的な利回りを高めるためには、購入価格を抑えることが大切です。

ジョージア

テキサス州に次ぐ人口増加率で不動産投資家に注目されているのは、アメリカ南東部に位置するジョージア州です。
なかでも州都のアトランタは、年6%もの高い割合で人口が増加していることが知られていて、住宅への旺盛な需要が不動産価格を下支えします。

コカ・コーラ社やデルタ航空など、一流の企業が多く存在することでも知られ、近年ではスタートアップ企業が、大手企業や大学とも連携しながら産業の創出を推し進めており、さらなる発展が期待されます。

アトランタは人口増加を一因として交通渋滞の激しい都市としても知られています。解消のために多額の資金をインフラに投資することが発表されており、高速道路の拡幅を中心とした再開発で、さらに利便性の高い都市として生まれ変わることでしょう。

アメリカ不動産投資でよくある失敗例

ここまで、アメリカを対象にした海外不動産投資のメリットをお伝えしてきましたが、アメリカならではの失敗しやすいケースがあるので紹介します。

ハリケーンが頻出する地域で改築費用が増額した

アメリカで不動産投資を検討するなら、ハリケーンへの対策や頻度の高いエリアにあたるか確認は必ず行いましょう。

日本の台風と同様に、アメリカでも熱帯低気圧が発達することで大雨や強風をもたらす現象が発生します。ハリケーンが通過したあと、木造住宅が軒並み倒壊した写真を見たことがある人もいるでしょう。

ハリケーンはアメリカ南部から東部にかけて上陸しやすい傾向にありますが、特にフロリダ州を始めとする南部地域で大きな被害を引き起こしています。
被災リスクを避けたいなら、カリフォルニア州を始めとする西岸地域を投資対象にするか、ハリケーン被害も対象となる保険に加入するか、何らかの対策が必要になります。

手元にまとまった現金がなかった

海外不動産投資を始めると決めて、多くの物件の中から理想の物件を発見できても、手元に資金がなければ見逃さざるを得ません。

特に近年は円安の影響を受けて円の価値が目減りしているので、資産の全額を日本円で保有している人にとっては、物件を購入しにくい時期といえるでしょう。

生活防衛資金とは別に投資用の資金を貯めるとともに、ドルを始めとする外貨での保有・貯蓄も検討してみましょう。

個人投資家は損益通算ができない

アメリカへの不動産投資に人気が集まった理由のひとつは、損益通算を利用した節税スキームの利用にありました。
海外で不動産に投資して、多額の減価償却費を経費として計上。日本国内の給与などの所得と損益通算することで、所得税額を大幅に圧縮する手法です。

しかし、2020年に税制改正が行われ、2021年以降は確定申告時に海外不動産投資で減価償却費により赤字が発生しても、損失はなかったものとして計算することになりました。

法人の場合は上記スキームを利用可能ですが、売却時には減価償却した分も簿価として加えて譲渡所得税を計算するので、結局は納税額が変化しない点に注意が必要です。

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金利が急激に増加して物件が購入できなかった

日本における日銀と同じ役割を果たすアメリカのFRBが金利を上げると、住宅ローンの金利も一緒に上昇して物件が購入できないケースも見られます。

2022・2023年のように、物価が急激に上昇する局面では、インフレのペースを落とすために金利を引き上げることがあります。
このとき住宅ローンの金利も上がってしまうと、まずは物件の購入を諦める人が出現します。次に、既に物件を購入している人が、高金利に耐えきれずに支払いが困難になり、物件を手放す事態になってしまいます。

アメリカへの不動産投資で成功するためのコツ

ここまで紹介したとおり、アメリカでの不動産投資は日本で行う場合と注意するところが異なります。では、アメリカで不動産投資を成功させるために、どうすればよいのでしょうか。

アメリカ不動産投資をする目的を明確にする

アメリカを対象に不動産投資を行う場合、目的の明確化が成功するために重要な考え方になります。

具体的には、どのような状況になったとき手を引くのか、そして投資を行った結果どのような経済状況になりたいのかを考えることが大切です。

出口戦略の立て方が非常に重要

不動産投資では、どのくらいの損失を被ったときに手仕舞いするのか、どの程度のリターンが得られたとき資産を売却するのかを考える必要があります。利食いや損切りのタイミングを決めておかなければ、利益の確定や損失の限定化に失敗してしまう恐れがあるからです。

こうした出口戦略を考える際に、投資対象となる国の選定から考え直す必要があります。どうして投資をするのか、どうしてアメリカを対象とするのかを突き詰める姿勢が重要です。

どのくらいの資金を得たいのかで所有する物件が異なる

海外不動産投資を行う際、物件を選び始める前に、投資を行った結果到達するべき目標金額を設定することが大切です。
ひとくちに不動産投資と言っても、戸建てと集合住宅、アメリカの西海岸と東海岸、ロサンゼルスの高級住宅街とオフィス街といった風に選択肢は膨大にあります。

最適な選択肢を選ぶためには、最終的にどれくらいの資金が必要なのかを決めたうえで、逆算することで必要とするリターンやリスクを設定して物件の選択に移る必要があります。

不動産価格が高騰していることは念頭に置く

保有資産を大きく減らさないためには、アメリカの不動産価格がすでに高騰してしまっている事実を認識しましょう。

アメリカを対象にした不動産投資の場合、現地や日本の銀行でローンを組むことは困難ではありません。しかし、不動産の価格は発展途上国と比べると比較するまでもなく高額です。

購入価格が高額になってしまうと、支払うべき元本と利息の金額が大きくなり、最悪手放さざるを得ない場合になりかねません。検討している物件は高値づかみの可能性があるという警戒は常にしておきましょう。

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FHAローンを使って安く物件を購入する

頭金が少なくても不動産を購入でき、効率的に不動産投資を始めたいなら、FHAローンの利用が効果的です。
FHAローンとは、アメリカの政府機関が債務保証を行うローンで、3.5%ほどと頭金を安価に抑えられる点がメリットです。

借入額が大きくなるため毎月の元本返済額が大きくなる点、支払いが滞った場合のための保険への加入が義務付けられている点など、気をつけるべき点はありますが、少なめの頭金でも投資をスタートできるのは嬉しいところです。

不動産情報システムMLSで情報収集をする

不動産投資を行う際に、必要なのは正しい情報です。アメリカにはMLSと呼ばれる不動産情報システムがあります。現在販売されている物件の情報や過去の所有者履歴、3Dによる内覧などにも対応しており、不動産投資家にとって必須のツールといえるでしょう。

万能に思われるシステムMLSですが、約900と地域ごとに複数のMLSがあることがデメリットです。複数のエリアに股がって取引を行う場合は、各エリアごとの管理団体にライセンス取得の手続きを行う必要があります。
利用する場合は、先に投資対象エリアを確定させることをおすすめします。

時差を考慮した活動手段を確立しておく

アメリカを対象に投資をするなら、現地の企業とどのようにコミュニケーションを取って関わるのかを決める必要があります。

日本とアメリカは14~17時間の時差があり(ハワイ・アラスカを含めると、アメリカは6つのタイムゾーンを有しています)、日本の正午頃はアメリカでは夜の8時頃を指します。
現地の不動産業者や管理会社と、どのような連絡手段を用いて、いつ定時連絡を行うのかを決めておきましょう。

地域ごとの治安の良し悪しを確認しておく

不動産投資を行う際に、投資対象となるエリアの治安は大事な要素になります。治安が安定しているエリアであれば、借り手は多く現れて空室リスクは抑えられ賃料を上げられる可能性を増やせます

州によって、都市の中でもエリアごとに治安の善し悪しは大きく変わります。州全体の治安の傾向をつかむとともに、都市の中でも治安の善し悪しを確認することが大切です。

リスクを回避するなら投資信託もおすすめ

個別の建物に対して投資することに不安を覚える人は、不動産投資信託を選択することも視野に入れましょう。

不動産投資信託(REIT)は、複数の投資家から集めた資金をプールしておき、そこから戸建て住宅、集合住宅、オフィスビルなど様々な物件に分散して投資する商品です。複数の物件に分散投資するため、1つの物件の賃料収入が低くても、他の物件の収入でカバーできるため、リスクを低減できる点がメリットです。
近年はアメリカを対象とした投資信託も複数販売されているので、買い求めやすくなった点も評価できます。

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アメリカの不動産投資に関しての質問

記事の終わりに、アメリカの不動産投資に関して、頻繁に聞かれる質問について解説します。

円安時でもアメリカの不動産に投資したほうがいいですか?

2023年は記録的な円安傾向を示しています。このような状況下では、米ドル建ての不動産を購入するのは得策ではないかもしれません。

ただし、アメリカREITにドルコスト平均法で積立投資を行う場合など、超長期的に投資をする場合は、為替レートや物件価格の高低に囚われず、淡々と投資することが正解の可能性もあります。

先述したとおり、アメリカへの不動産投資を行う最終的なゴールをどこに設定するのか、そしてその目標を達成するためにどんな方法、タイミングで投資するのかを明確化することが大切です。

手元の資産はどのくらいあればいいですか?

不動産の売買契約時に支払う頭金として準備するべき金額は、購入予定の物件の価格やローン商品によって異なります。
先述したFHAローンを利用すれば、3.5%の頭金さえ準備すれば物件を取得できるでしょう。5,000万円の物件であれば175万円です。

ただし、借り入れの金額が高額になるほど金利の負担が大きくなり、実質利回りが低くなる原因になるので、借入額が多いほどシビアに収支予測を行うことが求められます。

アメリカ不動産はコロナ禍の影響を受けていますか?

新型コロナウイルス感染症による経済の減速、および2023年の急激な利上げを受けて住宅価格が変動していると思ってしまいがちですが、実は不動産価格に変化は生じていません。

利上げが始まる前までは、居住目的・投資目的、様々な人が不動産に手を出していたため物件価格は上昇傾向を示していました。
しかし、利上げが始まることで投資利回りが見込めないと判断し、投資家を中心に買い控えが見られました。

結果として、不動産価格はわずかな乱高下は見られるものの、大きな影響を受けていないといえるでしょう。

アメリカ不動産の今後はどのようになりそうですか?

アメリカの不動産投資市場は、金利が上昇する前までの価格の高騰は一段落して、価格は下落する方向に向かう可能性があります。

ただし、人口の増加傾向が続いていることから、住宅への需要は堅調に維持されると予想され、急激に下落が進むことも考えにくいです。

2022年以前の低金利状態に戻るまでの間、不動産価格の相場は比較的安定することが予想されるので、投資家としては基本を崩さず、投資対象と定めたエリアで物件を詳細に吟味して購入することが求められます。

まとめ

アメリカへの不動産投資は適切なのか、様々な角度から解説しました。
非常に成熟した金融・不動産市場を持つアメリカは、他の先進国のように人口減少にも悩んでおらず、さらなる発展が見込まれます。住宅への旺盛な需要は続くと見られ、不動産投資家にとってはインカムゲイン、キャピタルゲインどちらも見込める魅力的な市場です。

一方で供給が不足していることから不動産の価格は高額になりがちです。投資利回りを確保するため、物件の状態を吟味すること、高値づかみしないことを意識して投資してみましょう。

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この記事を書いた人

三井邦弘のアバター 三井邦弘 ブログ編集長

日本生まれの韓国人。関西大学卒業後、ソウルでガイド事業開始。2010年EC運営会社設立。2013年製菓製造販売業開始。2016年和食レストラン開始。2018年ウェブマーケティング会社設立。2019年Token NewsのKorea Managerを担う。現在、アジアとアフリカへ投資(企業、不動産、ETF)実行中。

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