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海外不動産投資はカモられやすい?その実態と具体的な対策方法7選

海外不動産投資はカモられやすい?その実態と具体的な対策方法7選

海外不動産への投資は、「高利回り」「ハイリターン」などのメリットに注目が集まり、「カモられる」リスク対策が疎かになってしまいがちです。
特に近年の海外不動産投資ブームを背景に、初心者・未経験者の参入が増えたことに乗じて、トラブルを耳にする機会も増加傾向にあります。

本記事では、海外不動産投資で起こりやすい「カモられる」被害について、その実態と回避策・対処法を詳しく解説していきます。
これから海外不動産投資を始めてみようと思っている人に加え、投資先を拡大しようと検討している人も、改めてカモられることを回避するための対策を確認しておきましょう。

目次

そもそも海外不動産投資はカモられやすいのか?

インターネットで「海外不動産投資」について検索すると、海外不動産投資の魅力に関する記事と共に、海外不動産投資の危険性やデメリットを謳った記事も検索結果に表示されます。

その中でも、海外不動産投資のネガティブな側面としてあげられている代表的な事例が、「カモられた」経験談や実例です。

「不当に高額な物件価格を提示された」「現地エージェントの話と不動産の立地や状況などの実態が乖離していた」など様々なケースがありますが、いずれも、海外不動産投資特有の要因によるものと考えられます。

ここからは、海外不動産投資がカモられやすいと言われる4つの要因について解説していきます。  

情報の格差があると狙われやすい

まず、海外不動産でカモられる最大の要因とも言えるのが、「情報格差」です。

海外不動産投資において、現地情報にどれだけ精通しているかは非常に重要で、どれだけ価値ある情報を手にしているかが、カモられるか否かを分ける大きなポイントとなります。

当該国の法律や制度、不動産取引の慣習に加え、当該不動産の立地条件、周辺エリアの特徴や各種インフラの整備状況、生活の利便性など、多岐に渡る、現地のリアルな情報が手元にあれば、それだけ情報を判断する精度が高まります。

しかし、現地情報や不動産取引に精通していない場合、相手に「この人物は情報の見極めができない人だ」と捉えられ、いわゆる「情報弱者」と判断されてしまいます

そうして、不当な物件価格や法外な手数料を提示されるだけでなく、将来性の低い劣悪な不動産を不利益な条件で契約させられるなど、相手の口車に乗せられた結果、後の祭りとなってカモられたことに気づくケースに陥ってしまうのです。

副業として臨む人はターゲットになりやすい

本業で稼いだ資金を運用して、資産を増やすために海外不動産投資を選ぶケースは、近年増加傾向にある一方で、副業投資家はカモられるトラブルに巻き込まれやすいという側面があります。

考えられる理由として極端な例をあげると、副業投資家は「もし不動産投資で損をしても、(本業の稼ぎがあるから)痛くない人物」という印象を相手に与えてしまうことが理由と考えられます。

「不動産投資に対する本気度が低い人物」であると相手に捉えられると、紹介される不動産のランクや品質が低くなったり、価格の上乗せや条件の改悪などの不利益を被りやすくなったりするのです。

また、片手間に海外不動産へ投資するのであれば、情報収集や現地視察などにあまり多くの時間と労力を費やすことができないため、情報に対する判断能力が低いと見なされやすくなります。
そのため、副業で海外不動産投資を始めようとする人は、格好のカモとしてターゲットに選ばれやすくなるのです。

言語が異なるとトラブルを生みやすい

海外の不動産を購入する際、契約書や各種手続きに関する一連の書類は、英語または現地の言語で作成されます。

日本語以外の異なる言語で書かれた内容が理解できないまま、書類にサインをしてしまったが故に、後々になってトラブルが顕在化することは少なくありません。

加えて、言語にはその国々の慣習が反映された独自の言い回しや表現があることも多いため、言葉のニュアンスで認識の齟齬が生まれてしまうケースも散見されます。

日本語に通じた現地エージェントの仲介や通訳を利用したとしても、現地の人々が話している会話の内容や、書類の内容が理解できる程度の言語力がなければ、不利益な方向に話が進んでいてもそれに気づくことができません。

この言葉の壁による様々なトラブルに対するリスクヘッジがなされていないと、カモられる可能性がぐっと高くなってしまうのです。  

不動産会社から手数料が高い物件を提示されやすい

先述の「情報格差」や「言葉の壁」にも通じますが、海外不動産取引の初心者は、不動産会社や業者にとって格好のターゲットとなります。

ここでカモられるポイントとなってくるのが、海外不動産取引に関わる多くの業者や専門家の収益源である「手数料」です。

仲介手数料や事務手数料といった名目に対して、提示額の正当性を判断することが難しい初心者に対しては、自社の収益が増えるよう手数料が上乗せされた物件を紹介する不動産会社は少なくありません。

不動産取引に関する知識や経験が乏しい初心者にとってみれば、不動産取引のプロである不動産会社に「これは一般的な価格です」と言われてしまうと、反論の余地はなくなってしまいます。

このように、初心者ならではの情報判断力の低さによって、手数料でもカモられる可能性が高まるのです。

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海外不動産投資はなぜやめとけと言われるのか?

海外不動産投資への人気の高まりと並行するかたちで、「海外不動産投資はやめとけ」といった声はよく聞かれます。
そのような注意喚起が声高に行われるのは、海外不動産投資で考えられるリスクや注意点が大きくフォーカスされているためです。

ここでは、「海外不動産投資はやめとけ」と言われる原因となっている、リスクと注意点について解説していきます。

深い専門知識が必要となるから

海外不動産投資に限らず、投資で良い結果を得たいと思うのであれば、投資対象に対する深い専門知識が不可欠です。

単なる情報として知識を蓄えるのではなく、収集した情報同士の関係性や構造を分析・理解し、都度最適な投資判断を下すための努力を惜しまないことが、投資で成功するためのシンプルな法則なのです。

しかし、近年の海外不動産投資人気の高まりでは、初心者でも簡単に高利回りで運用できたり、短期間で大きな稼ぎを得ることができたりといった部分が注目を集め、誰でも手軽に成果をあげられる投資法として独り歩きしている感が否めません。

不動産取引や投資国への十分な知識がないまま手を出してしまった結果、カモられるのであれば、それは自業自得です。

このような努力を割に合わないと感じるのであれば、確かに「海外不動産投資はやめとけ」と言うことができるでしょう。  

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元金が少ないと利益を上げるのが難しいから

不動産投資による主な収入源となるのが家賃収入ですが、空室による損失を考慮したうえで運用のための元金を用意しておく必要があります。

不動産の運用には、管理費や修理費といった固定費が発生したり、ローンを組んでいればローンの返済も発生したりするため、家賃収入と相殺して月々のキャッシュフローがプラスに転じるまでに、ある程度の時間がかかる場合も少なくありません。

そのため、元金が少ない状態で運用を始めてしまうと、入居者募集の広告費や魅力的な物件に仕立てるための初期投資などの費用捻出が難しいことから、結果として、なかなか入居者が集まらず、空室が埋まらないという悪循環が生まれます。

利益が上がらないから売ろうとしても、空室の多い物件は、売りに出しても高い売却額はつきません。

このように、不動産を所有してからも余裕あるキャッシュフローで運用しなければ利益をあげることが難しいという点も、海外不動産投資があまり割に合わないとされる所以なのです。

失敗したときの負債が大きくなりがちだから

どのような優良物件であっても、空室リスクを完全にゼロにすることはできません。
そのため、海外不動産投資を行う際には、必ず家賃収入の確保と同時に、空室損失の補填策をあらかじめ準備しておく必要があります

空室損失の補填とは、家賃収入が入らない(=空室)状態にある時であっても、毎月発生する物件の維持・管理費やローンの返済などの固定費を自己資金から捻出することを意味します。

空室状態が長期化すればするほど、自己資金からの持ち出し(=負債)が増えていくため、空室状態はなんとしてでも短期間に抑える必要があります。

しかし、先進国の人気エリアや新興国の開発エリアでは、空室リスクゼロなどと謳われている物件も見られるため、購入後に蓋を開けてみて、思ったように家賃収入を得ることができない状況に陥ることがあるのです。

悪質な不動産を見極められないとリスクが高いから

海外不動産投資がカモられやすいと言われる理由として、情報格差や言葉の壁によって、悪質な不動産を見極めることが難しいことが考えられます。

先述の通り、海外では不動産投資初心者を狙ってひと稼ぎしようと目論んでいる業者が多く存在します。
不動産取引に関する法律や制度が未整備な新興国ではなおさらで、物件紹介の書類と実物が全く異なっていたというケースも珍しくありません。

そのような状況下で、初心者が自分の判断だけで不動産の良し悪しを見極めることは非常に困難です。

そのため、あらかじめ現地の不動産情報に通じた、信頼性の高い不動産会社を選ぶことが、このようなリスク回避において重要となってきます。  

入居者の有無に左右されるから

不動産の主な運用益である家賃収入は、当該物件への入居者がいてはじめて発生します。
そのため、空室状態であれば収益は発生しません。

しかし、不動産の所有には維持・管理費などの様々な諸経費が発生します。

海外不動産投資では、投資家の居住地ではない国で不動産を運用するケースがほとんどであるため、日本よりも慎重に、家賃収入が安定的に得られる物件であるかどうかを見定め、運用計画を立てることが大切です。

過剰供給エリアの物件やエリア相場にそぐわない賃料の物件といった、入居者が獲得できないような条件の物件を選択してしまうと、長期的に損失を被り続ける可能性が高くなってしまいます。

想定よりも多くの時間を費やすことになるから

不動産投資は、物件や地域のリサーチから始まり、購入から運用開始までの各種手続きに加え、保有期間中も何かと手続きや対応に時間と労力が必要とされる投資法です。

不動産会社のサポートを利用したとしても、海外不動産を購入する場合は、多くの手続きを並行して進めていくケースが一般的であることから、国内取引と比較しても、思ったより煩雑・複雑な作業が多いと感じることでしょう。

特に不動産会社とのやり取りや各種書類の確認や対応に限られた時間しか割けない会社員は、スケジュールに追われて、精神的な負担を感じることも少なくありません。

「手軽に」「気軽に」できる投資法というイメージが拡散されていることから、想定以上の時間や労力が必要とされる現実を目の当たりにした際に「割が合わない」と感じることになるのです。

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海外不動産投資で失敗するリスクが高い人

海外不動産投資によってカモられる被害に遭ったり、実際に投資してみて割が合わないと感じたり、当初思っていたような成果が得られず、投資が失敗に終わってしまうケースは少なくありません。

このような失敗事例からは、ある一定の法則をみて取ることができます。
ここからは、海外不動産投資の失敗リスクが高い人の特徴について解説していきます。  

副業として始めようと考えている

これまでも述べてきたように、綿密な事前準備や継続的な自助努力なくして、簡単に投資で稼ぐことはできません。

国内の経済成長の鈍化や少子高齢化の加速など、様々な不安要素に後押しされる形で、資産形成の方法として人気が高まっている海外不動産投資ですが、表層的な人気に踊らされて手をだすことはリスクが大きすぎます。

株式や債券と比較しても、決して安いとは言えない額を投入する不動産投資を、気軽な副業として始めてしまうことには多くの危険性がつきまといます。

もちろん、海外不動産に投資するために会社をやめて、専業投資家になる必要はありません
しかし、これまで述べてきたように、それ相応の時間と労力と資金が必要であることをしっかり理解し、納得したうえで始めなければ、失敗リスクを抑えることは難しいでしょう。  

公にされている情報を信用してしまう

投資に限らず、どのような業界・分野においても、大きな利益を生むようなコアな情報というのは、インターネット上で公開されることはありません。

投資に関して言えば、シンプルな話、ベットする(賭ける)人が少ないカードの将来性を先読みしたうえで安く賭け、人気が高まったところで売却してその売買差益を得ることが基本構造です。

そのため、どのカードが将来的に儲けられるかの手の内は誰も公開することはなく、仮に情報が共有されるにしても、限定的なコミュニティ内に留まります。

ネット上の断片的・表層的な情報に踊らされた結果、精神的にも資金的にも疲弊して失敗に終わるケースは、初心者投資家において顕著に現れる傾向です。  

税金対策として取り組もうとしている

「海外不動産投資は節税対策になる」という謳い文句から、海外不動産投資に興味を持った人は少なくありません。

しかし、結論から言えば、海外不動産投資をしたからと言って、ダイレクトに節税につながることはありません。

以前であれば、海外不動産の減価償却をうまく活用することで大きな節税効果を得ることができていましたが、法改正により、2021年の確定申告分から、個人が保有する海外不動産の減価償却費を損益通算することはできなくなっています

このような、海外不動産投資を活用したわかりやすい節税スキームがなくなった現在においては、各々が資産運用状況全体を総合的に分析し、各種税制度と照らし合わせて、資産横断的な節税対策を講じなければ、効果を得ることは困難です。

海外不動産へ投資したものの、節税どころかかえって赤字となってしまったという失敗事例は、近視眼的な節税目的で海外不動産に手を出してしまった結果と言えるのです。

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委託投資を前提としている

海外不動産投資に関する知識が不十分なままであっても、その道のプロである不動産会社に任せておけば安心だろうという考え方は、ターゲットにされやすいカモの典型的な考え方です。

日本の不動産会社では、手数料額の上限が法律で定められているため、法外な手数料を請求されることはありませんが、海外ではそうはいきません。

不動産業を営むうえでの規制や取引に関する法制度が整っている国は一部の先進国だけで、現在、不動産投資先として人気の東南アジアやアフリカなどの新興国のほとんどでは、それぞれの業者が独自に条件や契約ルールを設定することができます。

十分な知識を持ち合わせないままに、業者に丸投げスタイルで委託してしまう人は、気づかないところで価格が水増しされていたり、使途不明な手数料を取られていたりすることが少なくないのです。

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海外不動産投資でカモられないようにする7つの手段

言葉も文化も異なる異国の地で不動産投資を行うということは、国内不動産への投資以上に様々なリスクがあることを解説してきました。

ここからは、カモられるリスクを最小化しながらも、海外不動産投資にチャレンジしていく手段のなかでも、代表的な7つの手段について解説していきます。

なぜ投資をするのかを明確にする

投資する目的を明確に設定することで、この後のプロセスの折に触れて、大切な判断指標を定めることができ、情報の見極めにも大いに役立ちます。

反対に、投資目的が曖昧なまま海外不動産への投資を決めてしまうと、国の選択から物件の選択まで、一貫した判断をすることができないため、業者の言いなり状態で手続きを進めてしまうリスクが高くなります。

その結果、収益性の低い物件を相場以上の価格で購入させられたり、購入後の維持・管理に想定以上の費用が必要となったりすることで、望ましい運用成果を得ることが難しくなってしまうのです。  

投資に関する知識を深く理解する

これまでに何度も触れてきたように、投資対象に対する深い専門知識と理解は、投資で失敗しないために必要不可欠なものです。

例えば、オファーされている利回りが、表面利回りだけを切り取ったものであることを見抜く知識がなければ、購入後に想定以上の固定経費に悩まされることになるでしょう。

不動産会社のサポートを受けるにしても、最終的な条件合意や売買契約締結に至るまでの重要な判断を下す責任は自分にあることを理解し、必要な知識をしっかりと身につけておかなければ、投資で効果をあげることは難しいでしょう。  

最初は国内不動産から挑戦してみる

不動産投資初心者の場合、言葉の壁を乗り越えて、現地の情報や専門知識を身につける必要がある海外不動産投資に挑戦する前に、国内不動産への投資を経験しておくことをおすすめします。

不動産取引の概要や必要な手続き、運用方法など、基本的な知識を慣れ親しんだ日本語で身につけておくことで、ステージが海外に移った時でも、多少の法制度や慣習などの違いはあれど、応用することができるためです。

加えて、不動産取引においては、当該物件周辺の雰囲気や環境など、肌感覚で得る情報も多分に影響してくるため、国内で物件選択の際のコツを習得してから海外に行くことで、現地の状況の分析精度も高まることが期待できます。

序盤は多額の投資を控える

海外不動産の価格は、投資国が欧米諸国か新興国かによっても大きく異なりますが、初めての海外不動産投資であれば、リーズナブルな価格の物件からスタートして、慣らしていく方法をとることが懸命です。

少額の投資物件を運用してみて、購入から売却までの一連の手続きやキャッシュフローの感覚を身につけながら、徐々に運用額を増やしていきましょう

長期的に考えても、海外不動産投資においては、投資国や物件タイプ、価格や運用目的など、いくつかに分散させておくことで、個々で発生した損失を相殺しながら安定的に運用できるというメリットも得られます。

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信頼できる不動産会社を明確にする

様々なリスクがつきまとう海外不動産投資ですが、リスクが顕在化した時の被害が大きいからこそ、信頼できる不動産会社をパートナーとして見つけることが重要です。

不動産会社選定の際は、これまでの取引実績はもちろん、その取引内容や現地との連携体制についても細かく確認しておきましょう。

パートナーとして選ぶ不動産会社の取引手腕が低かったり、取引方針に信頼を寄せられなかったりすると、取引が円滑に進まないなどの余計なトラブルが発生するリスクが大きくなってしまいます。  

オーナーチェンジ物件から狙ってみる

海外不動産への投資は、つい新築物件やプレビルド物件に目が行きがちですが、安定的な運用という点を重要視するのであれば、オーナーチェンジ物件から狙うことをおすすめします。

オーナーチェンジ物件とは、その名の通り、既に誰かが保有している物件を購入し、当該物件の所有権が自分に移転される物件を指します。

オーナーチェンジ物件は、すでに家賃収入が発生している状態での引き渡しとなることが多いため、空室リスクを最小化する方法としては心強い選択肢です。  

事前に不動産投資のデメリットも理解しておく

不動産投資は、株式やFXなどと違い、何をもって「成功」とするかの定義が人それぞれで異なるものの、「儲けが出る」ことを「成功」と考えた場合の成功率は10%程度と言われています。

気軽に初めて、簡単に儲けられる投資話というものが存在する可能性はゼロであると言っても過言ではなく、必ずデメリットの側面が存在します。

このデメリットの側面をしっかりと理解したうえで参入することで、耳ざわりの良い謳い文句に惑わされづらくなります。

デメリットを考慮しても尚、参入するメリットがあると判断できない場合は、うかつに手を出すことは控えたほうが、カモられるリスクを回避するという点でも懸命な判断となるでしょう。

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実績のある不動産会社を見極める方法

海外不動産投資において不動産会社とは、その後の物件購入手続きをスムーズに進め、運用において好成績を生むために重要な役割を担うパートナーです。

実績豊富で信頼に足る不動産会社をパートナーに選ぶことで、これまで想定してきた様々なリスクやデメリットの可能性を最小化することができます。

ここでは、優良な不動産会社を見極めるうえで身につけておきたい3つの判断方法について解説していきます。  

扱っている不動産の物件数を確認する

取扱物件数は、その会社の信頼性の高さを表しているとされます。

当該会社との取引関係に信頼を寄せることができなければ、不動産のオーナーやブローカーが取引業務を委託することはしないためです。
そのため、取り扱っている不動産の数が少ない会社は、それだけ社会的・業界的に信頼を獲得している会社ではないと考えられます。  

海外不動産の場合は見込みがある国かどうかを把握する

海外不動産投資では、投資国の将来性が運用成績に大きく影響します。

将来的にどのような運用成績が期待できるかは、国ごとの特徴によって異なるため、投資先を決める際は慎重に国選びをすることが、投資成功を左右する要となるのです。
国選びの際に参考にされる代表的な指標としては、以下の3つがあげられます。

①人口が爆発的に増えているか

現時点で人口が急激に増加傾向にある国は、不動産への需要の高まりに供給量が追いついていない状態にあることがほとんどです。

住宅にしても、オフィスにしても、人口が増えるとそれだけ必要数が増えるため、そのような地域の不動産に投資すれば、高い入居率と家賃収入が確保でき、売却益でも大きく稼げる可能性が高くなります。

②新首都が誕生するほど栄えているか

人口が増加傾向にある国では、必ずといっていいほど、特定エリアが急成長を遂げています。

人口増加に対応すべく、新たに開発した場所に首都機能を移転させることも珍しくはなく、そうした動きは不動産投資の一大チャンスとして世界中の投資家が注目します。

近年であれば、エジプトのニューキャピタルやインドネシアのカリマンタン島が、首都移転計画により、不動産人気が高まっている良い例でしょう。

このように、人口が多いだけでなく、経済が大きく発展する要となるエリアの物件価値を見定めることも、不動産投資の際の国選びでは重要なのです。

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③高度成長期に突入しているか

特定の産業が活況を呈している国では、当該産業の発展をさらに促すために、新たな工場やオフィスの建設が次々と進められます。

そのような建設ラッシュが発生するとその分、建物や土地への需要が高まるため、経済成長期の国における不動産価格は上昇傾向が継続し、良いタイミングで取引することで大きな売買差益で稼ぐことが可能となります。

複数の不動産会社の条件を比較する

不動産会社選定の際は、いくつかの会社をピックアップして、それぞれのサービス内容や強みを比較・検討したうえで決めるようにしましょう。

インターネットで検索してみると、多くの海外不動産投資に強みを持つ不動産会社が表示されるものの、ホームページ上の情報だけで比較するのではなく、可能な限り、その会社の担当者と話してみることをおすすめします
それは、海外不動産投資は、投資家それぞれによって懐事情や要望、投資目的が異なるためです。

細かいところまできちんと話し合い、自身の条件に最も合う取引が可能そうなパートナーを選定することで、円滑に手続きを進めていくことができるでしょう。

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不動産投資でカモられたときの対処方法

慎重に慎重を重ねてリスクヘッジをしてきたつもりでも、カモられる可能性を完全にゼロにすることは難しいのが現状です。
少しでも危険や不安を感じたら、早めに手を打つことで、被害を最小限に抑えることが可能となります。

ここからは、もしもカモられてしまったことに気づいた時の対処法について解説していきます。  

赤字が続きそうなら売却する

不動産の運用は十分に準備をしていても、いざ蓋を開けてみると、思いの外入居希望者が集まらない、維持管理費用などの支出が多いなど、想定外の事態が発生します。

もしも赤字状態のキャッシュフローが続くようであれば、早めに売却の方向に切り替えることをおすすめします。

いくつかの投資物件を保有していたり、資産を分散して運用している場合、「黒字物件と相殺すれば大丈夫だから、しばらく様子を見よう」と楽観視するかもしれません。

しかし、赤字続きの物件を黒字に転じさせるためには、それ相応の資金や時間、労力を追加投入しなければならないため、よほど不動産投資に通じた投資家でない限りは、早めに損切りしてしまった方がダメージの増大を抑えられます。  

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悪質会社と疑われたら契約を解除する

不動産会社の運営方針や体制に疑問や不安を感じるようであれば、取引開始後であっても早い段階で契約解除を申し入れましょう。

海外不動産を扱う国内不動産会社の多くが、現地の提携不動産エージェントを介して取引のサポートを行いますが、現地エージェントの対応に関しても同様です。

特に、不動産投資の経験や知識があったり、投資国への訪問歴・滞在歴が豊富な人であるほど、不動産会社の対応がいまいちでも「自分でなんとかすればいいか」と考えがちです。

信頼に欠ける運営体制の不動産会社に手続きを任せてしまうと、後々余計なトラブルや手続きに見舞われるリスクが高くなるため、不信感を感じた場合は臆せず契約解除を選んだ方が軽傷で済ませることができます。  

専門の弁護士に相談する

取引の途中で契約を解除しようとすると、不動産会社や関係業者は必ず引き留める姿勢を見せるでしょう。

また、取引内容が法律に抵触するようなものであることが契約締結後に発覚した場合、不動産会社や現地業者との間で諍いに発展してしまうことも考えられます。
また、不当な理由で違約金や事務手数料などを請求されることもあるかもしれません。

このように、明らかに違法で悪質な被害に遭った場合や、当事者間での問題解決が困難な場合は、海外不動産取引を専門とする弁護士に相談した方がよいでしょう。

すべてのトラブルに対して弁護士が対応可能というわけではないものの、法的な立場からの対処法を指南してくれることもあるため、専門家の力を借りたほうが早く事態が収束します。

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公務員がカモられやすい理由

海外不動産投資でカモられた被害事例を見ていると、公務員がターゲットとなりやすいという傾向が浮かび上がってきます。
海外不動産投資で公務員がカモられやすい背景には、大きく2つの理由が考えられます。  

収入が安定しているため信用を得やすい

安定的な収入と高い社会的信用が保証された職業であることが公務員の大きなメリットですが、このメリットこそが、公務員がターゲットとなりやすい最大の理由です。

公務員は金融機関にとっても信用性の高い職業であるため、融資審査においても与信が得やすく、比較的容易に高額な融資を受けることができます。

高額融資を受けやすい分、不動産投資に投入可能な資金も増えることから、不動産会社にとって公務員は上客となる一方で、その豊かな資金源を狙って、物件価格の水増しや不要な手数料の請求などが起こりやすくなっているのです。  

刺激を求めてハイリスクハイリターンな条件を狙われがち

仕事の大半が定型型のルーティンワークで、年功序列型に給与が上がっていくことが保証されている公務員は、内心では刺激的・非日常的なことに対する好奇心が強い傾向にあります。

そのため、「海外」「投資」「高利回り」「ハイリターン」といった謳い文句が響きやすく、非日常感を求めて、ハイリスク・ハイリターンな投資に手を出してしまいやすくなるのです。

悪質な不動産会社や仲介業者たちは、このような公務員特有のメンタル構造を狙って、刺激的な投資案件を持って近寄ってくることから、公務員が被害に遭う事例が後を絶たないのです。

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海外不動産投資でカモられることに関する質問

ここからは、海外不動産投資を始めようと考えている人が抱きやすい疑問点に対して、回答していきます。

サラリーマンは不動産投資でカモられやすいのは本当?

カモられる可能性は高いと言えます。

その理由として、サラリーマンは本業から安定収入が確保されており、副業の投資で多少の損失が出てもダメージが少ないこと、そして、不動産取引に関する知識の習得や情報収集に多くの時間を割けないことの2つがあげられます。

損失リスクがそこまで深刻な問題ではないうえに、情報や知識の程度も限られているとなると、カモられる可能性は自ずと高くなってしまうのです。  

不動産投資は割に合わないのですか?

継続的な情報収集や専門知識を深めるための労力や時間が大変だと思うのであれば、不動産投資は割に合わない投資法です。

ポジティブな投資成果を得るためには、基本的に資産価値が今後上がる可能性の高い物件を選ぶことが前提条件であるため、それを見極めるスキルを養う努力ができない人は難しいでしょう。

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不動産投資の知識の身に着け方

最後に、不動産投資で良い成績をあげるために必要な専門知識を身につけるうえで、おさえておきたいポイントについて解説していきます。

不動産投資に関する知識は一朝一夕で身につくものではないため、継続的なブラッシュアップを目指して、自分に適した方法を見つけていきましょう。

ネット情報よりも書籍の内容を信頼する

不動産投資や海外不動産取引の初心者である場合、基礎知識は当面の間は書籍から得ることをおすすめします。

もちろん、インターネットを利用すれば膨大な量の不動産取引や投資に関する情報を「無料」で「手軽に」得ることが可能です。
しかし、インターネット上の情報は引用・シェア・拡散などを無秩序に繰り返した結果、出所が不明となっている情報も多く、玉成混合の中から優良な情報を見極めるスキルがなければ、信憑性の低い情報を身につけてしまうリスクがあります

その点、書籍は情報の出所を追跡しやすく、情報が改ざんされる可能性もネット情報に比べて低いため、基本的には書籍から得た情報をベースに知見を深めていった方がよいでしょう。

専門のセミナーに参加してコアな情報を入手する

海外不動産投資に関するセミナーは、鮮度・価値ともに高い、コアな情報を得ることができる絶好の機会であるため、積極的に参加しましょう。

セミナーに参加することで、開催者である不動産会社の担当者や関係者と触れ合う機会も生まれるため、自分に適した業者選びの参考にもなります。

また、確認事項や疑問点もその場で回答してもらえることから、セミナーは時間と費用の双方に対してパフォーマンスの高い、知識の習得方法です。

ただし、投資詐欺グループによる勧誘セミナーや法外な受講料を請求されるような不動産投資セミナーも存在しているため、セミナー内容や開催者、ゲストの実績などは、事前に確認したうえで参加するようにしましょう。  

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実績を上げているメンターと協力する

欧米諸国と比較するとまだまだ知名度の低い「投資メンター」ですが、優良なメンターと出会うことができれば、投資家として大きく成長できることが期待できます。

投資メンターは人脈の中で探す方法が一般的ですが、SNSやソーシャルメディア上で高い実績をあげている投資家とつながることもできるため、自分と合ったメンターと出会える確率は高くなっています。

メンターを選ぶ際は、高い実績をあげていることはもちろん、投資をスタートした時の境遇が似ていたり、自分が理想とするライフスタイルを実現していたりと、自分と近い感覚を持った人物を選ぶことがポイントです。

自分の目指すところを先に歩いている人物をメンターとすることで、活動内容や人生設計を進める上でのロールモデルとなり、多くの学びを得ることができるでしょう。

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まとめ

本記事では、海外不動産投資でカモられるリスクの回避策や対処法について解説してきました。

海外不動産投資でカモられないためのポイントは、以下の通りです。

海外不動産投資でカモられないためのポイント
  • 不動産投資に関する情報収集と知識を深める努力を惜しまない
  • 投資目的を明確にし、情報の取捨選択を慎重に行う
  • 優良な不動産会社をパートナーに選ぶ
  • 最初からハイリスク・ハイリターンを狙わない
  • キャッシュフローに余裕を持たせる
  • 危険・不安を感じたら迷わず手を引く

将来的な経済成長が見込まれる海外での不動産投資は、国内の不動産投資に比べて大きく稼げる可能性が大きい分、投資家の期待感や高揚感に付け入った悪質な取引を行う業者に接触するリスクも高いものです。

不確かな情報や安易な儲け話を見極めるスキルを養い、慎重で的確な判断力を身につけることが、海外不動産投資で大きな成果をあげる第一歩であるため、本記事を参考に「カモられない」投資家を目指していきましょう。

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この記事を書いた人

三井邦弘のアバター 三井邦弘 ブログ編集長

日本生まれの韓国人。関西大学卒業後、ソウルでガイド事業開始。2010年EC運営会社設立。2013年製菓製造販売業開始。2016年和食レストラン開始。2018年ウェブマーケティング会社設立。2019年Token NewsのKorea Managerを担う。現在、アジアとアフリカへ投資(企業、不動産、ETF)実行中。

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