海外不動産投資を始めるにあたって、何か専門資格の取得を考える人は少なくないのではないでしょうか。
持っておかないと海外不動産に投資できない資格の有無や、あると海外不動産投資で利益を出しやすい資格を紹介します。
また本記事では、海外不動産投資に関する各国での資格制度に加え、海外不動産投資をする際に必要な姿勢や詐欺などのトラブル回避の方法について解説します。
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海外不動産投資に関する資格について
日本では、不動産売買取引の仲介業務は、宅地建物取引士(以下、宅建)の資格を持った従業員が規定数以上設置されている仲介業者でなければ行うことができません。
しかし、宅建はあくまで、不動産の売買や賃貸を検討しているお客様に対して、取引に関する重要な情報を提供し、取引の正当性を担保することが課せられた役割です。
そのため、不動産投資を行う本人が宅建保有者である必要はなく、投資に際して他の資格が必要ということもありません。
それでは、海外不動産に投資する場合では、専門資格の保有は必要とされるのでしょうか。
海外不動産投資に資格は必要ない
国内不動産への投資同様、海外不動産への投資に際しても、投資家本人に資格が必要とされることはありません。
一方で、海外不動産売買の仲介を行う業者に関しても、資格は必要とされません。
これは、宅建が国内不動産のみを対象とした資格制度であるためです。
しかし、海外不動産の取り扱いに際しては、現地の法制度や慣習に精通していることはもちろん、各国で設けられている、取引の安全性と不動産購入者の利益を確保するための何らかの法制度に準ずる必要があります。
そのため、海外不動産の取引仲介に関わるビジネスを行う際には、その国々で義務付けられている、または推奨されている資格の保有が必要となるのです。
資格を取得するメリット
海外で不動産投資を行う本人が特定の資格を保有する必要はないものの、資格取得によって以下のようなメリットを得られることが考えられます。
- 投資先の国の言語を習得することができる
- 鮮度の高い現地情報の取得が可能となる
- 有利に取引を進めることができる
それでは、それぞれのメリットについて解説していきます。
投資先の国の言語を習得することができる
資格取得のための試験やガイダンスは基本的にすべて現地の言語で行われます。
現地の言語習得と資格取得はセットであるため、資格試験のための勉強は、同時に言語習得のための勉強にもなります。
鮮度の高い現地情報の取得が可能となる
現地の不動産取引に関する知識と言語を身につけることで、日本語に翻訳されていない鮮度の高い現地情報やレアな情報を手に入れられる可能性が格段に高くなります。
ローカルな情報サイトや口コミ・ニュースなどへのアクセスが可能となり、投資に役立つ現地情報を自らの手で収集・選別することができるようになるのです。
有利に取引を進めることができるようになる
海外不動産投資においては、現地の仲介業者の言いなり状態で取引が進んでしまうケースが少なくありません。
投資家本人が主導権を握って取引を進めた方が、自分に有利な形で取引が進められるだけでなく、契約後の様々なトラブル回避にもつながります。
資格取得によって現地の不動産業界や法制度、慣習などを理解した上で仲介業者に依頼すれば、適宜自分の要望や考えを明確に伝えながら、仲介業者と二人三脚で取引を進めていくことが可能となるのです。

海外不動産投資に関する業者向け資格3選
日本の宅建と同様に、不動産取引に関するビジネスを営む業者に対して、保有すべき資格を設けている国がある一方で、無資格でも仲介業を行える国もあります。
ここでは、海外不動産投資に関する資格を設けている3カ国の資格制度についてみていきましょう。
資格①:【アメリカ】ブローカー・セールスパーソン
アメリカでは、海外不動産投資に関する代表的な資格が2つあります。
- REセールスパーソンライセンス
- REブローカー・リアルエステート ブローカー
不動産投資が活発に行われているアメリカだけに、上記2つの資格はいずれも不動産投資に関する代表的な国際資格で、取得難易度も高いことで知られています。
それでは、それぞれの資格の特徴を解説していきましょう。
1. REセールスパーソンライセンス
REセールスパーソンライセンス(以下、セールスパーソン)は、日本の宅建に相当する資格で、アメリカで不動産取引を行う際に必要とされる資格です。
証券、金融、会計、経済、法律など多岐に渡る分野に関する知見が必要とされる高度な資格であるため、保有者は海外不動産のプロとしても高い評価を得ることになります。
セールスパーソン保有者は、アメリカの不動産業界においては就職先に困ることはなく、グローバルに展開するコンサルティングファームへの就職においても有利に働きます。
ただし、宅建資格保有者が日本国内どこであっても仲介業を営むことができるのに対し、セールスパーソンは州ごとに資格を取得しなければならない点には注意が必要です。
受験資格は、年齢18歳以上で学歴・国籍は不問で、実務経験がなくても受験することが可能です。
語学力に関しては、英検2級程度の語学力があれば合格ラインとされており、日本にいながら通信講座で勉強を進めることができます。
ただし、資格試験はカリフォルニア州で実施される州検定試験を受験する必要があり、その試験に合格してはじめて「REセールスパーソンライセンス」を取得できます。
セールスパーソンは、取得後永続的に有効というわけではないため、2年ごとの更新が必要です。
2. REブローカー・リアルエステートブローカー
REブローカー・リアルエステートブローカー(以下、ブローカー)は、セールスパーソンよりもさらに上位の不動産資格です。
ブローカーは、医者・弁護士と並んで3大資格とされ、社会的信頼・地位共に非常に高い資格とされています。
不動産会社を設立する場合、このブローカー資格保有者でなければ開業許可は下りません。
先述のセールスパーソンが、ブローカーが経営する不動産会社に所属しなければビジネスができないのに対し、ブローカーは独立・開業することが可能なのです。
資格試験の受験可能年齢は18歳以上で、セールスパーソンと同じです。
学歴は四大卒である必要があることに加え、在学中に規定科目を履修していることが必須とされます。
ただし、学歴条件を満たさない場合は、セールスパーソンとしての2年以上の実務経験があれば受験可能とされています。
資格②:【中国】不動産経紀人資格
中国の国家資格「不動産経紀人就業資格」は、日本の宅建に相当する資格です。
中国では不動産仲介業のことを「経紀業」と呼び、主な業務としては、不動産取引に関する契約書の作成や賃貸の仲介、不動産投資に関するコンサルティングなどがあげられます。
受験資格として学歴に応じた実務経験年数が設定されており、社会人経験と不動産仲介会社での実務それぞれの経験年数が規定以上でなければ、受験することはできません。
大卒の場合は、4年間の社会人経験と2年以上の不動産仲介業者での実務経験が必要で、短大卒であれば、6年間の社会人経験と3年以上の実務経験が必要とされます。
試験は毎年1回、秋に開催され、2年以内に4科目すべてに合格することができれば、無事資格取得となります。
ただし、実務経験は中国国内での経験に限られるうえ、試験の言語も中国語であるため、日本人にとっては取得のハードルが高い資格と言えるでしょう。
資格③:【韓国】公認仲介士
「公認仲介士」は、韓国版の宅建に相当する国家資格です。
不動産仲介業者は登録制であり、代表者は必ず公認仲介士であることに加え、その従業員の過半数は公認仲介士であることが事業所開設の条件となっています。
しかしこの登録制度によって、未登録業者や無資格仲介業者に対する「資格レンタル」なる犯罪や資格試験における不正行為が横行していることが問題視されており、年々取り締まりが強化されている現状にあります。
このような国内事情を受け、公認仲介士の受験資格には、試験不正や資格取消の処分を受けた場合、一定期間を空けないと受験資格が得られないことが明記されています。
受験資格に関しては、他に学歴や年齢等の条件は設けられておらず、誰でも受験することが可能です。
資格試験では、不動産の売買・交換・賃貸借に関する民法をはじめ、不動産関連の税法や住宅法、農地法など、不動産取引や仲介業に関する幅広い範囲から出題され、言語はもちろん韓国語です。
年に1回実施される試験では、1次試験と2次試験に合格すれば、公認仲介士の資格を取得することができます。
公認仲介士は不動産会社はもちろん、不動産投資やローンをメイン事業とする金融機関への就職においても最低限必要な資格とされています。
近年若者の就職難と不動産価格の高騰が続く韓国では、大学修学能力試験や公務員試験、TOEICと並んで、取得しておいた方が就職に有利に働く4大資格の一つとして、公認仲介士が人気を博しています。

不動産投資に役立つ資格5選
海外不動産投資に関して、投資家に必要とされる資格はありませんが、不動産取引に関連する資格を取得しておくことで、その知識が海外での不動産投資に役立つ場面は少なくありません。
ここからは、不動産投資に役立つ5つの国内資格を紹介していきます。
資格①:宅地建物取引士
宅地建物取引士(以下、宅建)は、実際に不動産仲介業を営む場合でなくても、資格取得により様々な知識を得ることができます。
試験で出題対象となる分野は大きく分けて、「宅地建物取引業法(通称、宅建業法)」「権利関係」「法令上の制限」「その他法令」の4つで、それぞれの項目は以下のような内容を網羅しています。
- 宅地建物取引業法
- 権利関係:民法、借地借家法、不動産登記法、建物区分所有法など
- 法令上の制限:都市計画法、建築基準法など
- その他法令:所得税、印紙税、不動産所得税、固定資産税など
宅建の取得により、実際の売買契約書の作成や内容の取り決め等、仲介業者が担っている業務の内容や品質基準がわかることで、不当な取引やその他トラブル回避にもつながるというメリットが得られます。
資格②:賃貸不動産経営者管理
アットホームやハウスメイトなどの賃貸住宅管理業を営む事業者に対して設置が義務付けられているのが、「賃貸不動産経営管理士」資格を保有する業務管理者です。
賃貸不動産経営管理士の役割は、賃貸住宅の維持保全施策の妥当性や入居者住居の安定・安全の確保であり、その業務内容は以下のようなものがあげられます。
- 賃貸取引に係る重要事項の説明およびそれを記した書面の交付
- 管理受託契約書の交付
- 家賃、敷金、共益費などの金銭の管理
- 当該物件のオーナーへの定期報告
賃貸不動産経営管理士の資格試験では、上記のような業務の遂行に必要な法制度などが出題範囲に含まれています。
資格取得により、不動産投資で家賃収入を得る際に役立つような経営知識の習得というメリットが得られます。
資格③:ファイナンシャルプランナー
家計に関連するお金の相談窓口となり、様々なライフイベントを経済面からサポートする専門家がファイナンシャルプランナーです。
資産状況を綿密に分析して、長期的・総合的な資産設計のスキルを身につけることができるファイナンシャルプランナーは、不動産以外の投資を行う人にとっても有利に働く資格です。
ファイナンシャルプランナーの資格は、「ファイナンシャル・プランニング技能士」の国家検定が該当し、資格は3級から1級まで等級に分かれています。
学科試験では以下のような範囲・内容から出題されます。
- ライフプランニングと資金計画:人生設計の方法、住宅・教育ローン、公的社会保険
- リスク管理:生命保険・損害保険、税務など
- 金融資産運用:債券、株式、投資信託、外貨などの金融商品
- タックスプランニング:所得税、住民税、法人税、消費税
- 不動産:不動産に関する法制度、税務、不動産投資
- 相続・事業継承:相続に関する法制度、相続・贈与の税務、財産評価、事業継承対策
このように、各種法制度や税務について網羅的に習得することができる点は、ファイナンシャルプランナーの大きなメリットです。
加えて、資格取得によりキャッシュフロー表の作成方法も習得するため、年間の収支と金融資産額の管理や、投資物件における年間収支とキャッシュ残額の管理を効率よく行えるようになります。
このように、資格取得によって得たスキルは、不動産投資のみならず、生活全般において活用することができる点が大きなメリットなのです。
資格④:不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に欠かせない金融と不動産の両方の知見を得ることができる国家資格です。
試験自体の難易度が高いことと、試験に合格してもその後1〜2年間の実務修習があり、その最終考査で合格となってはじめて正式に資格取得となることから、相当な時間と労力が必要とされる資格です。
資格試験は、マークシート方式の短答式試験と論文試験の2段階で行われ、短答式では「不動産に関する行政法規」と「不動産の鑑定評価に関する理論」の2科目の試験が実施されます。
一方で論文試験では、民法、経済学、会計学の3つの教養科目に加え、「不動産の鑑定評価に関する理論」の論文問題と演習問題の2つの専門科目に関する試験が実施されます。
不動産の利用価値や経済的価値を客観的に評価する指標を身につけることで、物件の選定から売買契約締結においてまで、様々なシーンで仲介業者や売り主・買主の提示条件の正当性を判断することができるようになります。
ただし、出題範囲、勉強量ともに他の不動産関連資格よりもハードルが格段に高いため、取得を目指す際は独学ではなく、専門のスクールを活用する方が効率的に勉強を進められるということを念頭に置いておきましょう。
資格⑤:不動産実務検定
不動産実務検定は、通称「大家検定」とも呼ばれ、賃貸住宅の経営に必要な知識を体系的に網羅した民間資格です。
不動産実務検定は、その名の通り、賃貸経営の実務知識を身につけることができ、そこで得たスキルを活用して、入居者により快適な住環境を提供することを目的としています。
資格は、「2級」「1級」「マスター」の3段階で等級が分けられており、段階的に賃貸経営スキルを高めていくような内容となっています。
各等級の試験における主な出題範囲は以下のような内容です。
- 2級:賃貸管理経営に関する知識(需要予測、「満室経営」実務、高齢者・外国人対応)
- 1級:不動産投資戦略、事業収支計画、販売実務、関連する税制度
- マスター:不動産運用設計、資産分析、建築施工管理、相続対策
マスター認定に合格すると、「J-REC公認不動産コンサルタント」と称することができるようになり、不動産投資、土地活用、賃貸経営のプロとして活躍の場が広がります。
投資家としても、不動産投資における実務の一連の流れを体系的に学べるというメリットを得ることができます。

海外不動産投資の資格取得以外にとるべき行動3選
ここまで不動産投資や海外不動産に関する資格について解説してきましたが、実際に資格を取得するとなると、多くの時間や費用や労力を資格取得のための勉強に費やさなければなりません。
学生であればまだしも、すでに社会人として何らかのビジネスにコミットしている人が多い中では、資格取得は現実的に難しいかもしれません。
しかし、冒頭にも述べたように、海外不動産投資を行うにあたっては、身につけておいて損はないスキルや知識があります。
ここでは、資格取得の道以外で、海外不動産投資に役立つ3つの行動について解説していきます。
行動①:現地の言語を習得する
投資先の国の言葉を習得することで、現地の業者と直接コミュニケーションを取ることができるようになり、鮮度の高い情報を得ることが可能となります。
物件の選定から売買契約締結、引き渡しまでの各種手続きや進捗確認も、仲介業者に丸投げしていては後々意図しないトラブルが発生してしまうリスクが高くなります。
そのため、現地の仲介業者や建設会社といった関連業者とは親密にコミュニケーションを取って、手続きや建設の進行具合をしっかり確かめることが重要です。
また、海外では工事が大幅に遅れたり、中断してしまうことも少なくないため、特にプレビルド物件に関しては、担当業者や日程をしっかり確かめておくためにも現地の言葉で直接会話できた方がリスクヘッジの点で有利に働きます。
加えて、売買契約にかかる様々な書類の内容には、可能な限り自分で目を通し、自分で理解したうえで承諾するのか変更要求をするのかを選択した方が懸命です。
契約内容をしっかり確認・理解することが、蓋を開けてみて投資に失敗した、詐欺に遭ってしまったというリスクの最小化につながるのは、日本でも海外でも共通の理なのです。
行動②:英語を習得する
現地の言語を習得することが困難な場合は、英語を習得しておきましょう。
アフリカやアジアの新興国では、複雑に現地の言葉が入り乱れていることも多く、マイナーな言語をゼロから学ぶのは手間も労力もかかります。
新興国、先進国含め、非英語圏の多くの国では、英語を第2公用語としていたり、ビジネスシーンでは英語を使用する慣習が根付いていたりするため、英語力があればまずは問題ありません。
海外不動産投資の仲介を行う業者も基本的には英語を話すため、英語を扱えた方が担当者との意思疎通も円滑に進められます。
加えて、インターネット上で最も使用されている言語である英語を使いこなせることは、世界中からコアな情報、レアな情報を収集することを可能にします。
現地の不動産事情や経済状況など、投資判断に影響を及ぼすような要因をリアルタイムで手に入れることができるようになることで、より速やかに適切な判断を下し、行動に移すことができるのです。
行動③:海外不動産のセミナーや研修を受ける
これから海外不動産投資を始めるのであれば、海外不動産に関するセミナーや研修を受講した方が、経験を積んだプロならではの助言や考え方を効率的に習得することができます。
海外不動産投資に関する書籍やサイトは膨大な数が存在しているため、慣れないうちはその中から自分が必要としている情報を選別するだけでも大変であるうえに、収集した情報の精度も高いとは言えないでしょう。
その点、プロによるセミナーや研修に参加するメリットで最も大きなものは、注視すべきポイントが明確になることです。
海外不動産投資の最前線にいるプロたちが普段からどのような視点を持って市場や業界の動向を見て、分析しているかという話から学びとることは多分にあります。
海外物件の動向や収益性の高い運用方法など、その時々の情勢からリアルタイムで導き出された重要なポイントを学ぶことで、投資に対する姿勢や考え方に加え、最低限必要な知識を効率的に学ぶことができるでしょう。
また海外不動産の豊富な取引実績を持つ不動産投資会社のセミナーや研修であれば、その会社と取引実績があり信頼できる現地の仲介業者を紹介、または推薦してくれる可能性も高まります。
最後に、研修やセミナーを受講する際は、複数社の研修やセミナーに通ってみて、各社の主張や考え方のポイントなどを比較・検討してみましょう。
仲介会社が開催している研修やセミナーであれば、そのまま仲介依頼へと進む場合もあるため、一歩踏みとどまって慎重に検討することも大切です。


【海外不動産投資の資格面から考える】詐欺に合わないための条件2つ
海外不動産投資では、信頼に足る仲介業者をパートナーにできるかどうかが、その投資が成功するか失敗するかの要となります。
しかし、海外不動産投資で詐欺被害に逢ってしまったという話は日本においても珍しいことではありません。
では、投資詐欺業者に引っかかることなく、優良な仲介業者を選ぶためにはどうしたらよいのでしょうか。
ここからは不動産関連資格の有無を悪徳な詐欺業者の見極める一つの指標として、詐欺リスクを回避するための2つの条件について解説していきます。
この条件を満たしたからといって100%詐欺を回避できるという確証があるわけではありませんが、詐欺か否かを見極める際の一つの判断基準として、参考にしてみてください。
条件①:仲介業者が投資対象国の資格を持っている
仲介業者が投資先の国で設けられている不動産仲介業に関する資格を持っていることは、その業者が当該国で合法かつ適切にビジネスを行っている、または行うつもりがあることの証拠の一つとなります。
先述のアメリカや中国、韓国のように、不動産仲介業を営むために事業主や従業員に資格保有者を置くことが義務付けられている国においては、資格の有無が優良業者を見極める判断材料として機能するためです。
日本の海外不動産仲介会社で、実際のやり取りや手続きは現地仲介業者と行うスタイルをとっている場合であっても、事業主や従業員が当該国の不動産資格を取得していることは、現地への理解が深いことを意味します。
そのような仲介会社が間に入ってくれれば、現地業者とのやり取りも円滑に進めることができるでしょう。
ただし、肩書きや資格があることを強くアピールすることは、信頼獲得のために詐欺グループや業者が好んで用いる手法であることも念頭に置いておくよう注意が必要です。

条件②:仲介業者が宅建を持っている
宅建の保有者か否かという点も、業者の見極めに役立つ指標の一つとなります。
宅建は日本国内における不動産取引を対象とする資格であるため、海外不動産事業においては不要の資格です。
しかし、宅建資格保有者であるということは、不動産取引に関する正しい知識を身につけていることを意味します。
そのため、国内における不動産取引実績などと併せて業者の品質を判断すると良いでしょう。

まとめ
海外不動産への投資に際して、投資家が何らかの資格を保有する必要はありません。
不動産関連資格は、投資家にとっても有利に機能する場面は多いものの、取得のハードルの高さを考えれば、資格を取得してから投資を始めることはあまり現実的ではないでしょう。
まずは投資先の国を選定し、その国の不動産業界や経済がどのような状況に置かれているのかを調べることが先決です。
そのうえで投資先となる国の資格制度を調べ、優良業者の選定の指標となる資格の有無によって業者の見極めを慎重に進めていけば、詐欺リスクは限りなく回避することができるでしょう。
