資産運用で海外不動産投資に目を向けたとき、各国の経済成長や人口増加率は投資先を定める指標となります。
特に東南アジアではフィリピンの発展が著しく、不動産需要が高まりつつある状況です。
都市開発計画も急速に進んでいることから地価も上昇傾向にあるため、少額から投資ができる今が絶好の機会といえます。
そこでこの記事では、フィリピンの物件に投資をする際はどのような特徴があり、収益を上げられる期待値は高いのかなどを詳しく解説していきます。
現地で発生する税金や投資におすすめのエリアなども紹介しているので、活動の参考にしてみてください。
フィリピンの情勢

フィリピンの不動産投資を検討するにあたって、基本的な国の情勢を把握しておきましょう。
特に人口の増加率や主流言語、為替に関しては不動産投資で欠かせない情報なので抑えておいてください。
人口と年層の区分
フィリピンの人口は2020年5月現在で1億903万人となり、日本に次ぐ世界12位の人口を誇ります。
人口ピラミッドは典型的な三角型で、フィリピン国民の平均年齢は25歳と非常に若いのが特徴です。
日本の平均年齢が48歳であることを考慮すると、フィリピンは更なる経済成長の力を秘めており、今後も急速に人口が増加していくと考えられます。
よって不動産の需要も高まり続けることが想定されるため、空室率が日本の不動産よりも上回る可能性は限りなく低いでしょう。
扱う言語と情報収集のしやすさ
フィリピンでは170を超える言語が存在すると言われていますが、基本的にはフィリピン語か英語かのどちらかが主流です。
ただしフィリピンの不動産で扱う契約書などは全て英語で書かれているので、比較的情報は理解しやすくなっています。
かえって日本語に翻訳されている書面だと、細かなニュアンスが消失していることもあるので注意が必要です。
翻訳ツールを利用すれば内容を理解することは可能ですが、英語を習得しておいた方が情報の正確性では勝るでしょう。
また健全な不動産業者であればボリュームのある契約書を備えているため、詳細な部分まで情報を入手することができます。
通常契約書に記載されている「支払い計画」に沿って活動が進んでいくので、この点の把握ができれば投資が難航することはありません。
経済成長に伴い不動産会社の数も増えていることから、なかなか現地の情報が入ってこないという事態にはならないと想定します。
通貨と平均的な為替レート
フィリピンは「フィリピンペソ(PHP)」という通貨を扱っています。
「ペソ」はフィリピンの他にもメキシコ・ウルグアイ・チリ・アルゼンチン・コロンビア・キューバ・ドミニカ共和国の7カ国でも使用しています。
ただし各国で独自の通貨を使用していることから、上記の8カ国で共通通貨というわけではありません。
よってフィリピンペソで収益を上げた際は、現地での取引に使用するか日本円に換金することになります。
大幅にレートが上下動している様子は見られないので、換金時の利益損失などはあまり発生しなさそうです。

日本とフィリピンの不動産の違い
経済状況が異なる日本とフィリピンとでは、不動産会社の状況や物件の扱い方も異なってきます。
ここではフィリピンの不動産状況を日本国内の不動産と比較しながら解説していきます。
フィリピンはプレビルド物件が目立つ
不動産の建設ラッシュとなっているフィリピンでは、建設前・建設中の物件を販売する「プレビルド物件」が多くなっています。
このようなプレビルド物件は建設済み物件より安く購入できるため、売却時に利益を上げやすいのが魅力です。
また支払いも分割払いが可能で、手元に一括分の資金がなくても投資ができます。
ただし一部計画通りに工事が進まなかったり、納期が遅れたりという問題もあります。
投資に慣れていない方は不安な部分が多いかと思いますが、フィリピン不動産の軸となる部分なので意識しておきましょう。
日本同様中古物件は需要が限られる
フィリピンも日本と同様に、新築の需要が高い傾向にあります。
しっかりとした法定耐用年数は定められていませんが、基本的には20年間として対応することが多いです。
よって残り僅かな耐用年数の物件を引き継ぐよりは、プレビルドの安く手に入る物件の方が好まれていると言う状況です。
高級マンションが立ち並ぶエリアでは中古物件の市場も活発ですが、投資初心者の場合は新築を重視した方が成功率が高まりやすくなります。
中古物件の市場が薄いと出口戦略も限られてくるので、物件を何年間所有するか、どのくらいの期間で投資分を回収できそうかを検討していきましょう。
建築までの時間や売却手続きの期間が長い
フィリピンの不動産を扱ううえで覚えておくべきことは、日本のように短期間で施工されることはないという点です。
これまでの傾向上、約50%の建設工事が納期までに完了していません。
また不動産関係のネットワークも不十分であることから、さまざまな手続きに時間がかかっているのも事実です。
したがって物件の購入・売却においては時間のゆとりが必要で、長期的なスパンを意識することが前提となってきます。
特に納期が定められているものに関しては余裕を持って取り組んでいきましょう。
新築の場合内装はほぼ未着手だと想定しておく
日本国内ではあまり考えにくいですが、新築では内装まで仕上がっていないまま引き渡されることが多いです。
間取りは決まっているものの、フローリングや壁紙、家具はほとんど備えられていないケースが目立ちます。
この点は現地住民であれば把握していることもありますが、外国人の投資家にとってはギャップが生まれやすいので注意してください。
フィリピン国籍でなければ土地を所有できない
不動産会社は土地を販売していることがありますが、個人投資家の場合フィリピン国籍でなければ土地を所有することができません。
法人であれば全体の資本のうち60%がフィリピンの物件であれば所有できるものの、専門の企業でないと厳しいでしょう。
もちろん土地を所有するために現地住民の名義を借りることは禁止されており、違法行為とわかれば処罰の対象となります。
土地を自由に管理して事業を始めるということはできないので、投資先は建物のみに基準を絞りましょう。

主な投資先はコンドミニアムだと想定しておく
フィリピンの不動産情報でよく目にする「コンドミニアム」とは、日本で言う分譲マンションのことを指します。
国内の不動産であればマンションへの投資に土地も含まれていると判断しますが、コンドミニアムにおいては土地の保有権はありません。
よってフィリピンの不動産で扱う物件はコンドミニアムが軸となりやすいため、最初に目をつける物件として検討しておいてください。
租税条約を締結しており両国で納税が必要
海外の不動産に投資をした際は、通常日本と現地の税制に従って税金を納めていく必要があります。
特に所得税や仲介時に発生した消費税などは条件によって複雑な仕組みをとっているため、両方の税制を学ぶことになります。
ただし日本とフィリピンは租税条約を結んでいるので、二重課税になることはありません。
海外不動産投資で発生する税金に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
資産運用において重要な要素なので目を通しておいてください。

フィリピン不動産のおすすめポイント
海外不動産の投資状況を見渡して、フィリピンの不動産がおすすめできるポイントをいくつかご紹介します。
経済成長率が高く不動産価格上昇が見込める
経済が成長している国の不動産に投資する最大のメリットは、今後の不動産価格が上昇する見込みがあることです。
フィリピンは2022年の平均GDP成長率が7%を超え、東南アジアでもベトナムに次ぐ経済成長を誇ります。
これに伴いインフラの整備が大幅に加速し、立地の良い不動産は徐々に価格が高まりつつあります。
日本でも高度経済成長期・バブル景気において不動産価格が高騰したように、今後フィリピンでも同様な傾向が見られるでしょう。
利回りの高さならアジアトップクラスの期待値
フィリピン不動産の期待利回りは概ね6%と算出されています。
これは東南アジアの中でもトップクラスであるうえ、日本国内不動産の場合は3~4%が大半であることを考慮すると十分な期待値です。
また東京都心の物件はほとんどが1,000万円を超えますが、フィリピンの不動産は低価格で投資ができることも利回りの良さに影響しています。
もちろん実質利回りなどでは物件ごとに評価が変わるものの、投資先の国を選定するには十分な指標です。
大きな収益を得るためには国内不動産よりも期待できるでしょう。

融資を受けながら海外不動産に投資しやすい
フィリピンは海外不動産の中では比較的ローンを組みやすい国です。
もちろん国内に比べると手続きが面倒な箇所もありますが、うまく取り入れられれば資金の負担も少なく済みます。
外国人の投資家に向けて住宅ローンを提供している銀行も多く、主に以下の3社がおすすめです。
【フィリピンで住宅ローンが組めるおすすめの銀行】
- Philippine National Bank (PNB)
- Banco De Oro (BDO)
- HSBC Premier
通常ローンに申し込む場合は、申請書・パスポート・物件の契約書・査定手数料などが必要です。
各銀行ごとに指定されている順番で手続きを進めれば難しい部分はないので、ひとつずつ丁寧に行いましょう。
TOD計画で交通網が大幅に発展してきている
TOD(Transit Oriented Development)計画とは、公共交通機関と商業地・住宅地を一体的に整備していくものです。
この計画によってフィリピンの首都マニラでは地下鉄の開発が大幅に進み、不動産の価値も高まるほど注目されました。
このように物件の周辺環境が整うと地価が上がるため、価格が安いうちに購入しておくと売却時に利益を上げやすくなってきます。
不動産投資の戦略として交通網の発展は見逃せないので、都市計画をもとに優良物件をピックアップすることをおすすめします。

フィリピンの不動産投資でかかる税金
不動産投資においては税金への対応も重要です。ここではフィリピンの物件に投資をした際に発生する税金の詳細をご紹介いたします。
不動産購入時に発生する税金
フィリピンの不動産を購入した際は、主に以下の5つの税金が発生します。
税金 | 概要 |
---|---|
印紙税 | 物件価格もしくは市場価格のうち高い方に対して1.5%発生する |
登録税 | 売却価格の0.25%が平均だが、累進的に課税される |
付加価値税 | 日本で言う消費税に当たる。フィリピンでは12%発生する |
地方譲渡税 | 地方によって異なるが、物件価格もしくは市場価格のうち高い方の0.5%〜0.75%が課税対象となる |
公証費用 | 物件価格の1〜2%発生する |
賃貸運用時に発生する税金
フィリピンの不動産を所有・運用している際は、以下の6項目を抑えておきましょう。
税金 | 概要 |
---|---|
固定資産税 | 税率は2%〜2.5%で、一括か年4回の分割払いを選択可能 |
火災保険料 | 概ね物件価格の0.4%〜0.5%。加入の義務はないが、ほとんどの物件で加入している |
特別教育基金 | 物件価格の1%で、貧困層の教育に使用される。マニラ首都圏のみ適用 |
組合管理費 | 月額50〜120ペソ/㎡が多いが、地域によって異なる |
所得税 | 家賃収入の25%が適用 |
管理委託手数料 | 家賃1ヶ月分と毎月家賃の10%が手数料 |
不動産売却時に発生する税金
所有している不動産を売却する際は、以下の3つの税金が発生します。
税金 | 概要 |
---|---|
印紙税 | 売却価格もしくは市場価格のうち高い方に対して1.5%発生する |
不動産譲渡税 | 売却価格もしくは市場価格のうち高い方に対して6%発生する。万が一損益が出ていても納税の義務があるので注意 |
不動産仲介手数料 | 売却価格の3〜6%発生する |
フィリピンの不動産投資でおすすめの地域
フィリピンの不動産は平米価格を中心に、都市の開発状況や今後の計画を踏まえて人気度を評価していきます。
ここでは不動産投資におすすめのエリアを5つ紹介します。
マカティCBD
マカティCBDはフィリピンでもトップレベルの高級マンション地帯で、富裕層向け・外国人投資家向けの物件が充実しています。
既に都市開発が完了している地域であることから新築は少なく、マンションの中古物件の市場が活発です。
フィリピンの物件に投資を検討している方は必ず抑えておきましょう。
ボニファシオ・グローバルシティ
ボニファシオ・グローバルシティはマカティCBDに次ぐ主要都市として注目されている、不動産投資では狙い目のエリアです。
商店街やビジネスエリア、住宅地などが計画的に割り振られており、多くの若者が集まりやすいのが特徴です。
景観も美しく治安も良いことから、上流階層が集まる近未来都市として人気を集めています。
売却時のキャピタルゲインも狙いやすいため、投資家の競争率も高まっていきそうです。
オルティガス
オルティガスもマカティCBD同様ビル群が目立つ地域ではありますが、利便性の高さから家族向けの住宅需要が多いエリアでもあります。
他の主要都市よりも再開発の余地を残していることから、今後の経済成長に伴って更なる発展が見込めます。
ビジネスの拠点として構えることが多いながらも、低価格で不動産を購入できるチャンスがある点が最大の魅力です。
今後物件価格が上昇する可能性があること、抽選競争を避けられることなどのメリットもあるため、一度は必ず目を通しておきましょう。
セブ
セブはアジア屈指のリゾート地で、観光スポット・老後の移住先として人気を集めています。
近年では現地住民も増加傾向にあることから不動産需要が高まり、投資先の選択肢としてよく取り上げられています。
また世界中の大企業がBPO拠点として構えることが多く、人の行き来も活発になっていく見込みです。
2050年には人口が倍増する成長速度なので、これからの投資先としては目が離せません。
ダバオ
ダバオは治安が非常に良く、今後も発展が見込まれるエリアとして注目を集めています。
日本の地方都市のような位置付けにあり、世界一行政面積が広い都市として有名です。
近年はインフラ整備や高速道路の建設計画が進んでおり、日本の企業が数多く進出しています。
したがって不動産価格が比較的安い現時点で購入しておくと、利回りも高くなると想定します。
フィリピン不動産投資でよくある失敗例
実際にフィリピンの不動産に投資をする前に、過去の事例から失敗しやすいポイントを探っておきましょう。
ここではよく耳にする4点を紹介していきます。
プレビルド物件が完成せずに打ち切りとなった
プレビルド物件で最も懸念する点は、工事が無事に完了するのかどうかということです。
扱っている企業の運営体制が悪いと工事がとまることがあり、購入予定の物件が完成せずに打ち切りになったという報告も耳にします。
したがって不動産投資の経験が浅い場合には、既に建設が終了している物件を購入して流れを掴むことが重要です。
結果的にプレビルド物件の方が安く購入できることが多いですが、リスク管理においては最適でしょう。

不動産ローンの申請が長引きうまく組めなかった
基本的に海外不動産はローンが組みにくく、契約までに時間を有することが多くなります。
そのため当初購入を想定していた物件の契約までにローンの構築が間に合わず、機会を逃してしまわないように注意が必要です。
万が一ローンが組めない場合には、手元の資金で投資活動をしていくことになります。
その際日本の不動産は、契約をした時点で借金をしてでも支払いを完遂させなければいけません。
しかしフィリピン不動産の場合はこのような制限がなく、投資ができなくなったタイミングで所有権を手放せば支払いの責任がなくなります。
契約解除後にトラブルが生じることはないので、この点では日本国内での投資よりもリスクが少ないと言えます。

少額から投資できるメリットに関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
・少額での海外不動産投資がおすすめの国|少額投資のメリットとデメリット
住環境が悪く家賃収入が入らなかった
フィリピンの新築物件は内装の整備が進んでいないので、入居予定者も住みやすさの実感が湧いていないことが多いです。
なかには住みにくいと退居されてしまうこともあり、想定していた家賃収入が得られないケースも少なくありません。
特にプレビルド物件では周囲に類似した物件がないと空室率も検討しにくいので、引き渡し直後は収入の安定さにも目を向けてください。
この点で想定よりも誤差が大きいと、売却時の収益だけでは賄いきれないことも考えられます。
不足の事態に備えて、いくつかの出口戦略を立てておくことをおすすめします。
うまく転売できなかった
フィリピンの不動産で転売をしようとしても、日本と同様にスムーズな活動ができないことが多いです。
理由としては不動産に関する十分なネットワークが構築されていない点が挙げられます。
日本国内はひとつの不動産会社が多くの取引先を抱えており、新しい物件が入ったらすぐに販売活動ができる環境が整っています。
しかしフィリピンにおいてはこれほどの密度の情報網が整っておらず、1から取引先を探さなければなりません。
よって少なくても半年、長くても1年間は転売活動に時間を割くと想定しておく必要があります。
決して転売ができないわけではありませんが、効率の面では劣るので注意してください。
そのほかにも海外不動産投資においては典型的な失敗例がいくつか挙げられます。
実際の例やその対処法などは、下記の記事を参照してください。

フィリピンへの不動産投資で成功する為の注意点
ここではフィリピン不動産投資の成功率を高めるコツとして、注意点を6つピックアップします。
実際に投資先として検討している方は参考にしてみてください。
プレビルドは人気で買えないことがある
フィリピンではプレビルド物件がおすすめですが、人気が高すぎることでなかなか購入できないケースが目立ちます。
特に注目度の高い物件は多くの投資家が目をつけているので、倍率の高い抽選会を抜けなければなりません。
よって先回りをして物件販売の情報を入手するために、似たような構造・環境の不動産の販売状況や人気ぶりを抑えておく必要があります。
事前に類似物件を調査しておけば、抽選の受付時に戸惑うことはありません。
不動産会社によっては定期的に見学会などを開催しているので、気になる物件があれば積極的に参加することが成功のコツです。
エージェント選びは慎重に行う
フィリピンは不動産の成長期ではありますが、それに伴って悪徳業者が増えているのも事実です。
金銭面の手続きに関してはしっかりと契約書を交わすのでトラブルにはなりにくいですが、扱っている物件の信頼度や人気度においては事前のリサーチが必須といえます。
特に外国人だと罠にはまりやすく説明が不足しているケースもあります。
実際に投資をする際は、契約の前段階で十分なやりとりを交わすようにしてください。
エージェントを選ぶ際のひとつの指標としては、仲介業者がフィリピンにどれほど精通しているかを確認することです。
経済が成長してきた国ではビジネスチャンスも豊富で、他国で不動産を扱ってきた企業・投資家が参入してくることがあります。
この場合不動産投資のスキルがあってもフィリピンに対する専門性に欠けることがあるので、必ず過去の取引実績を確認しましょう。

個人事業主は土地の所有ができない
不動産の違いでも解説しましたが、個人の投資家であればフィリピンの土地を所有することができません。
そのため土地の保有権がないコンドミニアム(分譲マンション)に投資することがメインとなります。
人口増加が著しいフィリピンでは集合住宅の物件数も多いので、賃料や細かい地域ごとの住宅需要を判断材料に投資先を選んでいきましょう。
フィリピン人の名義貸しは禁止
海外の不動産に投資をする際は、一般的に現地住民の方が規制が緩くなっています。
ただし契約上で現地に国籍があるフィリピン人の名義を借りるのは処罰の対象です。
「安く物件を購入できるから」「土地を購入したいから」という理由で取り入れてはいけません。
諸々の手続きに手間や制限がかかるのは海外不動産投資において当然でもあるので、これらを加味した上で最適な投資先を選んでいきましょう。
プレビルド物件を購入する際は企業の実績をチェック
途中で工事が打ち切りにならないように、デベロッパーの業績をよく確認しておきましょう。
経済成長が著しい国では建設に割ける人材や資材が枯渇気味になり、工事が止まることも少なくありません。
そのため倒産のリスクが少ない大手企業に目をつけるのは必須といえます。
また中には外国人の投資家をターゲットにした高額な物件を販売している企業もあります。
相場よりも高いと感じた場合には現地住民が購入しているかどうかを確認し、買い手が付きやすい物件なのか注視してください。
残金の支払いにはゆとりを持つ
フィリピンの不動産は「ノンリコースローン」という支払い方法が採用されています。
これは所有している資産から発生した収益を返済原資とする方法で、いわゆる積み立てのような形式で不動産を購入していきます。
いっぽうで冒頭でお伝えした通り、フィリピンの不動産投資は契約書に記載されている「支払い計画」に沿って入金するのが鉄則です。
そのため何らかの理由で支払いが遅れてしまうと契約違反となり、差し押さえや所有権のはく奪になりかねません。
したがって少額から投資できたとしても、ある程度余裕を持って資金を確保しておくことが大切です。

フィリピンの不動産投資に関しての質問
ここではフィリピンの不動産に投資するにあたって、よくみられる質問を4点取り上げました。
現地に行って物件を確認した方が良いですか?
フィリピンに限らず海外不動産に投資をする場合、基本的には現地視察を行うべきです。
現地視察を行うメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 物件の内装や経年劣化の度合いを細かく確認できる
- 周囲の交通網を理解することで、アクセスのしやすさを可視化できる
- 現地の建設状況や利便性などを把握できる
これらは不動産を扱ううえで必ず知っておくべき情報なので、自身の目で確認しておくことは重要です。
しかし現地に足を運ばなくても不動産投資に成功している人はいます。
この場合は現地の情報に詳しい知り合いや企業に仲介してもらうことが多く、なによりも信頼度と専門性が鍵を握ります。
不動産投資で成功するには情報の蓄積が重要なので、価値のある知識を取り入れることを重視していきましょう。
フィリピンにはどのように送金しますか?
万が一日本からフィリピンへ送金が必要になった場合に備え、以下のサービスを取り入れることを検討しておきましょう。
- SBI Remit:手数料が安く、受け取り可能な支店が多い
- セブン銀行フィリピン送金サービス:セブン銀行ATMから預金が可能
- WESTERN UNION:コンビニやネット上で送金が可能
実際に現地で日本円が必要になることは限られますが、積極的に投資活動を行う際は念のため備えておいてください。
どれほどの活動資金があればフィリピン不動産に投資できますか?
あくまで目安ではありますが、手元の資金で1,000万円は用意しておいた方が無難です。
特にプレビルド物件では少額から投資ができるため、比較的リスクも抑えながら活動できます。
ただしセブ島などのリゾート地や高級住宅地の場合には、さらに資金が必要なことも考えられます。
あくまでも相場を基にした参考数値ですので、詳しい価格帯は実際に販売されている物件を確認してください。
フィリピンの不動産投資はコロナ禍の影響を受けていますか?
コロナが世界的に広がった当初は、大手企業でも建設がストップしたり、取引が停止するなどの影響を受けました。
2020年代はフィリピンの不動産価格も大幅に低迷しましたが、2023年現在では以前の軌道に戻りつつあります。
いっぽうで富裕層向けの高額物件に関しては、取引数が未だに回復していません。
これは海外の不動産投資家に向けて販売している物件数が減ったということでもあります。
フィリピンの不動産投資では、より一般層向けの住宅が基本となっていることを抑えておきましょう。

まとめ
この記事では東南アジアでも屈指の経済成長率を誇るフィリピンにおいて、不動産投資のおすすめポイントや成功の秘訣などを詳しく解説してきました。
現在のフィリピンは人口増加・経済成長率・都市開発のどれをとっても右肩上がりで、不動産の需要が大幅に高まっている状態です。
日本でも高度経済成長期に不動産価格が高騰したように、今後フィリピンでも地価や物件価格が上昇することが考えられます。
ただしコロナ禍によって高級マンションの販売数が減少し、一般向けの集合住宅が主流となっています。
そのため家賃収入を得るには、ターゲット層の収入やライフスタイルを研究して需要を満たしているかを確認することが大切です。
フィリピンの不動産は比較的安価で購入できるので、海外不動産の投資先として検討してみてください。