海外不動産投資に興味はあるものの、具体的にどの国に投資すればよいか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
海外不動産投資する国を選定することは、物件を選ぶより何より重要になります。
「人口が増加している」「GDP成長率が高い」「通貨が安定している」
この3つの基準から選ぶことで、自分にあったおすすめの海外不動産投資国を決めることができます。
本記事では、国別の利回りランキングやおすすめの国TOP10、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介していきます。
世界国別利回りランキング
海外不動産投資先として、どの国を選べばよいのでしょうか。
ここでは、最初にグローバル・プロパティ・ガイドが提供するデータを参考に、利回りの国・都市別ランキングを見ていきましょう。
順位 | 国名/都市 | 利回り |
---|---|---|
1 | ジャマイカ/キングストン | 9.80% |
2 | エジプト/カイロ | 9.40% |
3 | ウクライナ/キーウ | 9.10% |
4 | ヨルダン/アンマン | 8.80% |
5 | ガーナ/アクラ | 8.80% |
6 | タンザニア/ダルエスサラーム | 8.60% |
7 | エルサルバドル/サンサルバドル | 8.50% |
8 | バハマ | 8.20% |
9 | ニカラグア/マナグア | 7.70% |
10 | モンテネグロ/沿岸地域 | 7.50% |
もちろん、利回りだけで判断することはできませんが、利回りの高い国に投資すれば高いリターンを見込めるため、一つの指標として参考になさってください。

海外不動産投資でおすすめの国を選ぶ3つの基準
海外不動産投資で投資先の国を選ぶ際は、以下3つの基準を確認するとよいでしょう。
- 人口が増加している
- GDP成長率が高い
- 通貨が安定している
以下、それぞれご紹介します。
人口が増加している
人口が現時点で多いか、増加傾向にある国はおすすめです。
人口が多い、もしくは増えるということはそれだけ経済規模が大きく、また今後の成長を見込める可能性が高いといえるからです。
なお、2022年時点の世界人口ランキングは以下のようになっています。
順位 | 国名 | 推計人口(1,000人) |
---|---|---|
1 | 中華人民共和国(中国) | 1,439,324 |
2 | インド | 1,380,004 |
3 | アメリカ合衆国(米国) | 331,003 |
4 | インドネシア | 273,524 |
5 | パキスタン | 220,892 |
6 | ブラジル | 212,559 |
7 | ナイジェリア | 206,140 |
8 | バングラデシュ | 164,689 |
9 | ロシア | 145,934 |
10 | メキシコ | 128,933 |
11 | 日本 | 126,146 |
中国、インドが突出していることが分かります。
国連によるとインドの人口は2023年には世界一になる見込みです。
ちなみに、インドネシアは1980年には1.4億人程度と日本とそこまで大きな差はありませんでしたが、この40年で2倍程度まで人口を増やしています。
次に、世界で人口増加率の多い国を見てみると、以下のようになります。
順位 | 国名 | 増加率(%)(2020年) |
---|---|---|
1 | ニジェール | 3.77 |
2 | バーレーン | 3.61 |
3 | 赤道ギニア | 3.41 |
4 | ウガンダ | 3.27 |
5 | アンゴラ | 3.22 |
6 | コンゴ民主共和国 | 3.14 |
7 | ブルンジ | 3.08 |
8 | マリ | 2.97 |
9 | チャド | 2.96 |
10 | タンザニア | 2.94 |
– | 日本 | -0.34 |
上位にはアフリカの各国がランクインしていることが分かります。
このままの勢いで人口が増えていくと、2050年には世界人口の4分の1がアフリカに、2100年には約4割を占めることが予想されているのです。
2023年時点では経済的に発展しているとはいえないアフリカですが、長い目で見ると大きく成長していく可能性があるといえるでしょう。
なお、先述のインドネシアの人口増加率を見てみると、1980年頃は2%程度だったものが少しずつ鈍化し、2023年は0.7%程度となっています。以前と比べると落ち着いてきてはいるものの、まだまだ人口が増えていくことが見込めるでしょう。

GDP成長率が高い
次に確認しておきたいのがGDP成長率です。
GDP成長率とは、国の経済的豊かさを表すGDPの前年からの成長率を示したもので、IMFの統計によるデータを見てみると、以下のようになっています。
順位 | 国 | GDP成長率 |
---|---|---|
1 | モルディブ | 36.95 |
2 | リビア | 28.29 |
3 | ガイアナ | 23.77 |
4 | マカオ | 17.99 |
5 | アルバ | 17.16 |
6 | ベリーズ | 16.34 |
7 | パナマ | 15.34 |
8 | モルドバ | 13.95 |
9 | バハマ | 13.72 |
10 | アイルランド | 13.59 |
成長率で見ると、現時点でのGDPが少ない国の中で、成長している国が上位にランクインする傾向があるといえるでしょう。
順位 | 国 | GDP(百万US$) |
---|---|---|
1 | 米国 | 22,996,075 |
2 | 中国 | 17,744,640 |
3 | 日本 | 4,932,556 |
4 | ドイツ | 4,262,767 |
5 | イギリス | 3,187,626 |
6 | インド | 3,176,296 |
7 | フランス | 2,957,425 |
8 | イタリア | 2,101,275 |
9 | カナダ | 1,988,336 |
10 | 韓国 | 1,810,966 |
現時点でGDPが高い国は安定性が高い一方で、成長率が低いと今後大きく価格が上昇することはを見込みにくいといえます。

通貨が安定している
最後は通貨が安定しているかどうかです。
通貨の安定性については、概ね国の経済力によるところが大きいといえるでしょう。
特に米ドルは世界の基軸通貨であり、安定性が高くなっています。
なお、米ドルなど安定性の高い通貨と比べて、安定性の低い通貨は金利が高く設定されるのが一般的です。
金利の高い通貨を保有していると、利息を受け取れるため、金利を高く設定することで自国の通貨を買ってもらえるようにしています。
こうした、金利の高い国で投資をすると、不動産の値上がりや家賃収入だけでなく、通貨を保有することで利息を多く受け取ることが可能です。
ただし、こうした国の通貨は経済不況などを理由に価値が大きく下落してしまう可能性がある点にも注意しなければなりません。
仮に不動産の価値が2倍になったとしても、通貨の価値がほぼ無価値になってしまうといったことも起こりうるでしょう。
他国の不動産に投資する場合は通貨の安定性についてしっかり確認しておくことが大切です。

海外不動産投資で投資先を選ぶなら決めておきたい投資の方向性
海外不動産投資において、投資先を選ぶ際には、インカムゲイン狙いにするか、キャピタルゲイン狙いにするかでおすすめの国が変わります。
これら2つの方向性について、特徴を見ていきましょう。
インカムゲイン狙いの投資
主に家賃収入など、不動産を保有することで得られる収入を狙った投資です。
短期間で大きな利益を得ることは難しいですが、長期的に少しずつ利益を得ていくといったことが可能です。
インカムゲイン狙いの投資であれば、比較的経済的に安定している国がおすすめです。
現時点のGDP上位に位置しているような国がターゲットとして挙げられやすいでしょう。
例えばアメリカは経済も通貨も安定しており、家賃収入狙いで長期的に投資していくのにはおすすめだといえるでしょう。
キャピタルゲイン狙いの投資
主に購入したときと売却したときの差益を狙った投資です。
アメリカなど経済的に安定した国であれば、長期的に安定して投資をしやすい一方、短期間で大きく資産価値が上昇する可能性はそこまで高くありません。
一方、エジプトや東南アジアの国々など、将来的な経済成長を見込める国であれば、キャピタルゲイン狙いの投資におすすめだといえます。
この場合、冒頭でお伝えした基準のうち、人口増加率やGDP成長率などこれからの成長性から判断するのがよいでしょう。
ただし、現時点で人口やGDPが低い国は増加率や成長率が高く算出されがちなので、現時点ですでにある程度人口やGDPが高く、さらに今後の成長性が見込める国を選ぶことが大切です。
もちろん、実際に投資する際は数値だけでなく、実態までよく調べることが大切だといえるでしょう。

1位:エジプト
ここからは、具体的に投資先としておすすめの国をご紹介していきます。
海外不動産投資の投資先としておすすめの国第1位はエジプトです。
以下、特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
エジプトの特徴
エジプトはアフリカ大陸の北東に位置し、地中海をはさんでヨーロッパが近く、また西アジアにも接しているという国です。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 1億233万人 |
人口増加率 | 1.7% |
GDP | 4,041億US$ |
GDP成長率 | 3.3% |
首都 | カイロ |
言語 | アラビア語、都市部では英語も通用 |
宗教 | イスラム教、キリスト教(コプト派) |
通貨 | エジプト・ポンド |
2020年時点の人口は1億人強ですが、2010年には8,044万人だったところから10年で2,000万人増えており、2030年には1,億2,000万人を超えて日本の人口を超えることが見込まれています。
エジプト不動産投資のメリット
エジプトで不動産投資を始めるメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 経済成長率が高い
- 投資先としてまだ注目されていない
- 新しい首都が建設中
エジプトは現時点で人口やGDPが高い水準にあり、また、人口増加率やGDP成長率も高い水準にあります。
一方で、不動産投資先としてはすでに一定の評価を得ているアメリカやイギリス、これから高い成長率を見込める東南アジア等と比べて、注目されている段階とはいえません。
また、その高い人口増加率もあり、首都カイロでは年間通して渋滞になるなどしており、新首都の建設が進められています。
今後、新首都が完成すればより経済が発展していく可能性もあるでしょう。
エジプト不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 渋滞がひどい
- 新首都の情報がまだあまり公開されていない
先述の通り、エジプトでは首都等を中心に渋滞に悩まされる事態になっています。
特に現地に住む場合などは渋滞の影響を受けてしまうことも多いでしょう。
また、エジプトの新首都は現在建築中であり、現時点では情報はあまり公開されていません。
今後どのような首都が完成するのか、不透明な部分も多いのです。

2位:フィリピン
次は、フィリピンの特徴や投資する際のメリット・デメリットを見ていきましょう。
フィリピンの特徴
フィリピンは東南アジアに位置する国で、7,100の島々からなります。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 1億903万5,343人 |
人口増加率 | 1.5% |
GDP | 3,941億US$ |
GDP成長率 | 5.7% |
首都 | マニラ |
言語 | フィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語 |
宗教 | キリスト教 |
通貨 | リンギット |
エジプトと同様、人口とGDPが高い水準にあり、人口増加率やGDP成長率も高いという特徴があります。
また、公用語として英語が採用されている点もポイントでしょう。
海外不動産投資をするにあたり、現地の言語を理解できると入りやすくなるからです。
フィリピン不動産投資のメリット
フィリピンで不動産投資するメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 2050年にはt東南アジア最大の国になるという予測がある
- 首都マニラの住宅需要が高い
フィリピンはその高い経済成長率から、2050年には東南アジア最大の経済大国になるという予想がされています。
なお、フィリピンの経済の特徴としては、国内で主要な産業が育っていないということが挙げられます。
一方で、国内で主要な産業が育っていないため、海外への出稼ぎが多いという状況にあるのです。
労働人口の約4分の1が海外で働いており、GDPの1割程度を海外送金が占めています。
これは、公用語が英語であることも理由の一つとして考えられるでしょう。
その他、不動産投資をする際のポイントとして、首都マニラの住宅需要が高いことが挙げられます。
これは、国土が山がちであることが理由であり、都市部の地価が高くなりやすい条件を備えているといえるでしょう。
フィリピン不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 経済的にまだ不安定な部分がある
現時点で高い成長率を誇り、今後も成長していくことが見込まれますが、2023年時点ではまだまだ経済的に不安定な状況です。先述の通り、国内で主要な産業が育っていないといったことも問題として挙げられるでしょう。
今後、世界的な不況や、フィリピン国内で大きな不況が起きた際など、経済が長期間停滞してしまう可能性は十分にあるといえます。

3位:アメリカ
第3位はアメリカです。
以下、アメリカの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
アメリカの特徴
アメリカは北アメリカに位置し、50の州からなる合衆国です。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 約3億3,200万人 |
人口増加率 | 0.1% |
GDP | 23.32兆US$ |
GDP成長率 | 5.9% |
首都 | ワシントンD.C. |
言語 | 主として英語 |
宗教 | 主にキリスト教 |
通貨 | US$ |
アメリカは世界1位のGDPを誇り、また人口も世界3位。
さらに、GDP成長率も5.9%と非常に高い水準を誇ります。
自国通貨のUS$は世界の基軸通貨として利用されており、経済的に非常に安定性の高い国だといえるでしょう。
アメリカ不動産投資のメリット
アメリカの不動産に投資するメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 世界の基軸通貨
- 経済的に安定している
- 先進国でありながら今後も人口増加が見込まれる
まず、アメリカの通貨であるUS$は世界の基軸通貨として利用されています。
現時点でのGDPや人口など世界トップクラスであり、IT産業など多くの産業で世界をリード。
このため、経済的に安定しており、安心して投資しやすい国だといえるでしょう。
アメリカ不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 他の国と比べると爆発的な経済成長は見込めない
- 初期投資額が高くなりやすい
まず、アメリカは現時点ですでに経済的に非常に安定していることから、エジプトや東南アジアの国々に投資するのと比べると、投資した後に大きく不動産の価格が上昇するといった可能性は低いといえるでしょう。
また、不動産を購入するにしても、現時点で地価が高くなっている可能性が高く、初期投資額が大きくなりやすい点にも注意が必要です。

4位:インドネシア
第4位はインドネシアです。
インドネシアの特徴
インドネシアは何千もの火山島で構成される国で、多数の民族が暮らしています。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 約2.70億人 |
人口増加率 | 0.7% |
GDP | 1.186兆US$ |
GDP成長率 | 3.7% |
首都 | ジャカルタ |
言語 | インドネシア語 |
宗教 | イスラム教 86.69%、キリスト教 10.72% |
通貨 | エジプト・ポンド |
特筆すべきはその人口の多さで、現時点でアメリカに次いで第4位の人口。
GDPも相応に高く、人口、GDP共に東南アジア最大となっています。
インドネシア不動産投資のメリット
海外不動産投資の投資先としてインドネシアを選ぶメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 世界第4位の人口
- 今後も人口が増えていく可能性が高く、それに伴って経済も発展していくことが見込まれる
先述の通り、インドネシアは世界第4位の人口であり、それに伴いGDPも高く、現時点で人口、GDP共に東南アジア最大となっています。
今後も人口が増えていく可能性が高く、人口の増加と併せて経済も発展していくことが見込めるといえるでしょう。
なお、不動産投資という側面から見ると、人口が増加するのに対して住宅の供給が追いついておらず、慢性的に住宅が不足しているという特徴があります。
インドネシア不動産投資のデメリット
- まだ経済的に安定していない
インドネシアに投資する際のデメリットとして、現時点では経済的に安定していないということが挙げられるでしょう。
人口が急激に増えていることもあり、都市部は豊かになっていっている一方で地方のインフラ整備など不十分で、貧富の差が拡大しています。
発展しているのは首都のジャカルタが中心で、地方にまで行き渡っていません。
将来的に貧富の差による問題を解消していけなければ、今後の経済発展にも影響が及ぶ可能性があるでしょう。
5位:タイ
第5位はタイです。
タイの特徴
タイはインドシナ半島中央部に位置。
ミャンマーやラオス、カンボジアと隣接しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 6,617万人 |
人口増加率 | 0.2% |
GDP | 5,059億US$ |
GDP成長率 | 1.5% |
首都 | バンコク |
言語 | タイ語 |
宗教 | 仏教 94%、イスラム教 5% |
通貨 | バーツ |
現時点で人口、GDP共に相応に高く、GDPは東南アジア第2位の規模。
人口、GDP共に緩やかながら増えています。
タイ不動産投資のメリット
海外不動産投資の投資先としてタイを選ぶメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 工業国として発展している
- 日本人が比較的多い
タイは自動車やエレクトロニクス分野の産業を主要産業としており、今後も高い需要が見込まれています。
また、タイと日本は伝統的に良好な関係を築いており、2020年時点でタイにいる在留邦人は8万人を超えるなど、日本人が多いという特徴があります。
タイで不動産投資を始めるにあたり、現地の日本人に相談するといったこともやりやすいといえるでしょう。
タイ不動産投資のデメリット
また、タイでの不動産投資のデメリットは以下の通りです。
- まだ経済的に安定していない
他の東南アジアの国々と同様、現時点では経済的に安定していないといえるでしょう。
タイにおいても、他の東南アジアの国々の多くがそうであるように、やはり首都バンコクが経済を牽引してきた側面があり、貧富の差が拡大しています。
貧富の差の問題を解消できないと、デモなどにより政情不安定になるといったことも懸念されます。

6位:イギリス
第6位はイギリスです。
以下、イギリスの特徴とイギリスで不動産投資するメリット・デメリットをご紹介します。
イギリスの特徴
イギリスはヨーロッパの北西に位置する島国で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドで構成。
正式にはグレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国と呼びます。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 6,708万人 |
人口増加率 | 0.4% |
GDP | 3.131兆US$ |
GDP成長率 | 7.5% |
首都 | ロンドン |
言語 | 英語 |
宗教 | キリスト教 |
通貨 | スターリング・ポンド |
イギリスは高いGDP、GDP成長率を誇ります。
人口もそこそこ多く、また現在でも微増ではありますが人口が増えている国です。
イギリスでは死亡数より出生数が多い自然増の状態が続いているのに加え、移民の流入が多いこともその理由として挙げられるでしょう。
イギリス不動産投資のメリット
イギリスに不動産投資するメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 不動産価格が上昇している
- 法整備が進んでいる
イギリス、特にロンドンの不動産は歴史的に見ても安全資産と見られており、右肩上がりの上昇が続いています。
近年ではリーマンショック時に不動産価格が大きく落ち込みましたが、その後、ロンドンオリンピックの開催等もあり、再び右肩上がりに大きく上昇しているのです。
また、イギリスで不動産を購入するときは専門の弁護士が売主、買主双方につくなど法整備が進んでいる点も特徴。
特に途上国で不動産を購入するときなど、法的に大きなリスクを負うことも多いですが、この点は安心して投資しやすいといえるでしょう。
イギリス不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 経済の見通しが不透明
- 利回りは高くない
イギリスの不動産価格自体は上昇傾向にありますが、特にコロナ禍以降は経済の見通しが不透明な状態となっています。
今後、経済が停滞すると不動産価格にも影響が及ぶ可能性があるでしょう。
また、イギリス、特にロンドンの不動産は世界的にみても人気があり、すでに価格は高くなっています。
投資する際に大きな額が必要になるのに加え、高い利回りを期待できないことも多いでしょう。
7位:オーストラリア
次はオーストラリアです。
以下、オーストラリアの特徴とオーストラリアで不動産投資するメリット・デメリットを見ていきましょう。
オーストラリアの特徴
オーストラリアは南半球に位置し、インド洋と太平洋に囲まれています。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 約2,575万人 |
人口増加率 | 0.1% |
GDP | 1.553兆US$ |
GDP成長率 | 2.2% |
首都 | キャンベラ |
言語 | 英語 |
宗教 | キリスト教52%、無宗教30% |
通貨 | オーストラリア$ |
人口は他の国と比べるとそこまで多くないものの、高いGDPを誇っています。
また、GDP成長率も高く、今後も安定して成長していくことが見込めるでしょう。
オーストラリア不動産投資のメリット
オーストラリアで不動産投資するメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 別荘地が世界的に人気
- 日本からでも投資しやすい
オーストラリアは東海岸のゴールドコーストや西海岸のパースなど世界的に有名な別荘地が多く、特にこれらの地域では高い資産性があるといえます。
また、オーストラリアは日本からの直行便があり、オーストラリアの不動産を取り扱っている不動産会社もいるため取引を進めやすいという点はメリットとして挙げられるでしょう。
オーストラリア不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 高い利回りは期待できない
オーストラリアはすでに有名な別荘地など資産性が確立されていることもあり、購入時の価格が高くなりやすく、結果として高い利回りは期待できないという問題があるのです。
8位:カンボジア
第8位はカンボジアです。
以下、特徴とカンボジアで不動産投資するメリット・デメリットをご紹介します。
カンボジアの特徴
カンボジアはインドシナ半島に位置し、ベトナムとラオス、タイと隣接しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 15.3百万人 |
人口増加率 | 1.2% |
GDP | 269.6億US$ |
GDP成長率 | 3.0% |
首都 | プノンペン |
言語 | クメール語 |
宗教 | 仏教(一部少数民族はイスラム教) |
通貨 | リエル(主に使われているのはUS$) |
カンボジアは現時点では人口、GDP共に高くはありませんが、増加率や成長率という点では高いといえるでしょう。
また、カンボジアの特徴として、自国通貨リエルがあるものの、あまり信用されておらず、多くの場所で米ドルが使えるということが挙げられます。
カンボジア不動産投資のメリット
カンボジアで不動産投資するメリットは以下の通りです。
- 米ドルで投資できる
- 今後の経済成長を期待できる
カンボジアは自国通貨があるものの、ほとんどの場所でUS$で取引することが可能です。
カンボジアでUS$建ての銀行口座を開設することも可能で、家賃収入をUS$で受け取るといったこともできます。
また、カンボジアは今後の経済発展を期待できる国で、将来的なキャピタルゲインを狙った投資もおすすめです。
カンボジア不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 経済的に不安定
- 不動産取引やマーケットの整備が不十分
カンボジアは現時点では経済的に不安定な部分があり、また不動産取引の法整備やマーケットの整備が不十分です。
カンボジアで投資する際は、そうしたリスクにも十分注意したうえで投資することが大切だといえるでしょう。
9位:ドバイ(UAE)
第9位はドバイ(UAE)です。
以下、ドバイの特徴やドバイで不動産投資するメリット・デメリットを見ていきます。
ドバイの特徴
ドバイはUAE(アラブ首長国連邦)に属する7つの首長国の一つです。
以下はUAEに関する情報です。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 約989万人 |
人口増加率 | 0.8% |
GDP | 4,150億US$ |
GDP成長率 | 3.9% |
首都 | アブダビ |
言語 | アラビア語 |
宗教 | イスラム教 |
通貨 | ディルハム |
UAEは石油や天然ガスの埋蔵量が世界有数で、その豊富な石油収入により高いGDPを誇ります。
人口や人口増加率はそこまで高くありませんが、対してGDPやGDP成長率は非常に高く、国民一人当たりの所得が高いという特徴があります。
ドバイ不動産投資のメリット
ドバイで不動産投資するメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 不動産投資することで居住ビザを得られる
- 税制面で優遇を受けられる
ドバイでは不動産投資に取り組むことで居住ビザを得られるという特徴があります。
ドバイを起点にビジネスを展開したいと思っている人におすすめだといえるでしょう。
また、税制面でのメリットも大きく、固定資産税や印紙税がかかりません。
投資環境としては非常に魅力的だといえるでしょう。
ドバイ不動産投資のデメリット
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 融資を受けることは難しい
ドバイで不動産投資する際、融資を受けることは難しいため、全額現金を用意しなければなりません。
まずはまとまった資金を用意する必要があるという点に注意が必要でしょう。

10位:ベトナム
最後にご紹介するのはベトナムです。
ベトナムの特徴
ベトナムはインドシナ半島東にある国で、南シナ海に面しており、中国やラオス、カンボジアと隣接しております。
項目 | 詳細 |
---|---|
人口 | 約9,762万人 |
人口増加率 | 0.8% |
GDP | 3,661億US$ |
GDP成長率 | 2.6% |
首都 | ハノイ |
言語 | ベトナム語 |
宗教 | 仏教、カトリック、カオダイ教他 |
通貨 | ドン |
ベトナムは人口、GDP共に高く、また、人口増加率やGDP成長率も高くなっています。
なお、ベトナムの特徴として押さえておきたい点は、社会主義国家であるという点です。
また、一党独裁制が取られており、公権力が強いという点にも注意しましょう。
ベトナム不動産投資のメリット
ベトナムで不動産投資するメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 経済成長率が高い
- 平均年齢が低い
ベトナムは経済成長率が高く、また平均年齢が低いことから、今後も引き続き高い経済成長率を見込めます。
ベトナム不動産投資のデメリット
一方、ベトナムで不動産投資するデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 外国人に対する規制が厳しい
- 外国人は中古物件を購入できない
ベトナムは社会主義国家ということもあり、公権力が強く、外国人への規制が厳しいです。
例えば、通貨の持ち出しにも制限があるため、投資で得た資金はベトナム国内で再投資するといったことが求められるでしょう。
また、そうした規制の一つとして、外国人は中古物件を購入できないということが挙げられます。
ただし、すでに外国人が所有している物件を別の外国人が購入することは可能です。

まとめ
海外不動産投資に取り組む際、投資先を選ぶ基準や、具体的におすすめの投資先などご紹介しました。
本記事でご紹介した投資先の中から、ご紹介した特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、どの国で海外不動産投資を始めるか決められてみることをおすすめします。
