「海外不動産投資で中古マンションへの投資は難しいの?」
「海外不動産投資で中古マンションを扱うとき、有利な国や地域あるのかな」
「海外不動産の中古マンション投資特有の注意点を知りたい」
もし、あなたが今、海外不動産投資で中古マンションを検討していて、上記のようなことが気になっているのでしたら、今回の記事はとても役に立ちます。
海外不動産投資の中古マンションに関するメリット・デメリットや向いている人の条件などをていねいに解説していきますので、是非、参考にしてください。
海外不動産投資で中古マンションに投資するメリット6つ
まず最初に、海外不動産投資で中古マンションを購入する6つのメリットについて見ていきます。
海外の中古マンションだからこそ享受できるメリットはいろいろとありますので、これらを知っておくことはとても大切です。
初期費用を抑えられる
中古マンションを購入する際は、物件価格に建設費と用地取得費が含まれていないため、その分、同じ仕様の新築マンションよりも低い価格で購入が可能です。
また、購入手数料においても、新築のときより価格が下がっている分だけ、購入手数料も低くなります。
中古マンションは新築物件と比較して建物が古いため、入居者からの需要が低くなると思われがちです。
しかし、実際は立地条件が良い物件が多く、賃貸価格も新築物件より低く設定できるため、入居者の獲得もスムーズで、募集にかける広告費用なども抑えることが可能です。
このように中古マンションの購入は初期費用を抑えることができるので、良い物件を選ぶことで収益性の高い運用が可能となります。
売却によるキャピタルゲインが狙える
中古マンションによる海外不動産投資の目的は、家賃収入によるインカムゲインがメインとなります。しかし、人口増加や経済成長を遂げている新興国などでは、売却によるキャピタルゲインも狙うことが可能です。
その主な背景には、「需要の拡大」「地価の上昇」「政府の政策」といったものが挙げられますので、それぞれのポイントを説明します。
- 【需要の拡大】:人口増加や経済成長に伴って首都圏などで不動産の需要が拡大する傾向があり、需要が増えることで物件価値が上がり、キャピタルゲインを狙いやすい
- 【地価の上昇】:人口増加や経済成長に伴って都市部を中心に土地の価値が上昇する傾向があり、土地の価値が上がると不動産価値も上がり、キャピタルゲインが狙いやすい
- 【政府の政策】:人口増加や経済成長を促進するために、政府が不動産に対する税制優遇措置を取ることがあり、その場合、不動産投資が有利になりキャピタルゲインが期待できる
ただし、投資先国選びにはカントリーリスクも含まれるため、慎重な情報収集や専門家のアドバイスを参考にすることが重要です。
新築マンションの欠陥を避けられる
新築マンションには下記のような欠陥が隠れている場合があり、物件が完成して居住してみないとわからないこともあります。
- 【施工不良】:施工における不備やミスによる建物の欠陥のことで、「壁や床にひびが入る」「水漏れや雨漏りが起こる」「建物の歪みや傾きが生じる」などの問題が起こることがある
- 【設計上の問題】 :建物の設計上の問題により発生する欠陥のことで、「窓の配置やサイズ」「換気設備」「防音設備」などが不十分な場合、居住者の生活に支障をきたすことがある
- 【環境問題】 :建物の建設地の環境に関する問題により発生する欠陥のことで、「地盤沈下」「地震」や「洪水」などの自然災害のリスクが高い地域に建てられた建物には対策が必要である
- 【設備の問題】 :建物に設置された設備の欠陥の原因となるもので、「エレベーター」の故障やメンテナンス不足、「火災警報器」や「防犯カメラ」などの設備が不十分な場合がある
海外不動産投資で新築マンションを購入するときは、事前にこれらの潜在的な欠陥を認識できずに後でトラブルとなるリスクがあります。
しかし、中古マンションであれば、このような欠陥があった場合はすでに認知され問題となっているため、購入前の事前調査でリスクを避けることが可能です。
プレビルド購入のリスクを避けられる
東南アジアにおいては、プレビルドといって、物件の建設が始まる前または竣工前に不動産を購入できる制度があります。
プレビルドが設定されている物件は、完成後よりも購入価格が安くて人気ですが、竣工リスクといって、物件の完成が大幅に遅れたり最悪のケースでは完成しないこともあります。
完成が遅れた場合は海外不動産投資の収支計画に狂いが生じることになり、建設が中止となった場合は支払い済みの費用を巡ってトラブルに発展しかねません。
中古物件であればすでに建物が完成しているので、そういったリスクを気にする必要がなく安心して購入できます。
中古でも価格が下がりにくい
バブル崩壊後の日本の不動産価格は、経済低迷に同調して上昇が見込めず、首都圏などの一部の地域以外では下落傾向が続いています。
したがって、中古マンションは家賃収入を目的としたものがほとんどで、少子高齢化が進む将来においては、今後、空室リスクも増えていくでしょう。
しかし、海外の中古マンションは、下記のような理由により値下がりしにくく、国やエリアによっては購入時より値上がりする可能性もあります。
- 都心部に位置していることが多い
海外の中古マンションは都心部に位置していることが多く、周辺環境や生活インフラが整備されているため需要が安定しています。 - 景気に左右されにくい
不動産市場は景気の変動によって影響を受けますが、海外の中古マンションは不動産投資に熱心な海外投資家や移民などの需要があり、景気の変動にあまり左右されにくいです。 - リノベーションによる付加価値
海外の中古マンションは、建物の状態によっては、リノベーションを行うことで付加価値をつけることが可能です。
日本では自分が快適に住むためにリノベーションを行いますが、海外では転売目的で売主がリノベーションすることが多く、中古物件でも需要があり価格が比較的安定すると言えます。
法人では節税効果が大きい
海外不動産投資において法人として中古マンションを運用することで、大きな節税効果を得ることができます。
その一番の理由として、海外では一般的に中古マンションの減価償却によって法人税の負担を軽減できることが挙げられます。減価償却費用を経費として計上することにより、法人税の納税額を大きく減らすことができるのです。
また、不動産所得に対する減価償却だけでなく、利子や固定資産税などの支出を経費として認めることができ、これによる節税効果も得ることが可能です。
海外の多くの国では、日本と比べて法人税率が比較的低いため、個人よりも法人が不動産投資を行うことでより多くの利益を得ることができます。
法人として海外不動産投資を行う際のメリットは以上ですが、国によって税制が異なるため、具体的な節税効果は投資先の国の税制を詳しく調査する必要があります。
また、個人の場合は、2019年の税制改革により2022年の確定申告から、海外不動産投資では減価償却費を費用計上できなくなりました。


海外不動産投資で中古マンションに投資するデメリット5つ
前章で海外不動産投資で中古マンションに投資する6つのメリットを見ましたが、投資を成功に導くためにはデメリットも認識しておくことが大切です。
この章では海外不動産投資における中古マンションが持つ5つのデメリットについて解説しますので、これらをしっかりと抑えることでリスク軽減につなげて下さい。
物件に問題があり失敗する場合がある
中古マンションの価格が安いからといって「古すぎる物件」を選ぶと、設備や建物の老朽化が進んでいるため、修繕やメンテナンス費用が高くなり投資収益が低下する可能性があります。
また、比較的新しい中古物件に比べて、建物の価値が大きく低下していることもあります。その場合、将来売却をするときや賃貸需要が減少したときに、投資元本を回収できなくなる可能性も考えておかねばなりません。
比較的新しい中古マンションでも「不人気な物件」であれば、入居者が少ないため賃貸需要が低下する可能性があり、入居率が低いと投資収益が低下することがあります。
近隣に新築物件が建設された場合には、入居者が流出する可能性があり、価格が安いからといって「古すぎる物件」や「不人気な物件」に手を出すのは危険です。
周辺環境の問題で失敗する場合がある
物件価格が安い中古マンションが存在する地域には、「不動産市場が低迷している」「治安が悪い」「交通アクセスが不便」などの問題が潜在している可能性があります。
これにより、入居者や購入者が減少することがあり、売却の際にも価格を下げる必要もでてくるかも知れません。
また、他地域における再開発や交通インフラの整備によって、新築マンションや改装物件などの競合物件が増加することもあります。
このように周辺環境の問題によって中古マンション経営が失敗するケースがありますので、投資先のエリアについては、将来的な変化やリスクを考慮して詳しく調査することが重要です。
修繕の交渉が必要
海外不動産投資において中古マンションを購入する場合、修繕については買い手と売り手の双方が合意すれば自由に交渉することが可能です。
一般的に中古マンションを売却する際には、売り手はできる限り修繕を行い、買い手に良い状態で引き渡すことが望ましいとされています。
ただし、修繕費用が高額になる場合や修繕が必要な箇所が多い場合には、売り手が買い手に修繕費用を負担することを求めることがあります。
中古マンションの売却価格に修繕費用が含まれている場合が多く、買い手が修繕費用を負担する場合には、売却価格を下げることによって修繕費用を相殺することも可能です。
このように、中古マンションを購入する際には、修繕費用についてもしっかりと交渉し、契約書を作成することで将来のトラブルが起こる可能性を回避しましょう。
維持費がかさみやすい
海外不動産投資において、中古マンションを購入した場合、設備の老朽化による故障や不具合が起こりやすく、修理や交換が必要になることがあります。特に、建物や設備が古くなっている場合には、修繕費用が高くなる傾向があります。
また、治安の悪い地域にある中古マンションでは、監視カメラやセキュリティシステムの設置などによる防犯対策が必要となることも、事前に視野に入れておかなければなりません。
これらの維持費用を想定するためには、中古マンションの修繕費用や管理費用、税金、保険料 などのコストを事前に調査し、収支計画を立てることが大切です。
入居者とのトラブルが比較的多い
中古マンションの場合、新築物件より設備的に古いことに起因するトラブルや、入居者のトラブルが比較的多い傾向があります。
中古マンションの設備は新築に比べて古くなっているため、エアコンや給湯器などの故障が起こりやすくなることがあり、老朽化によりトイレや水道などの設備が故障することもあります。
また、中古マンションの場合は防音性能や耐震性能が低く、隣接する部屋からの騒音や振動が起こりやすいことで入居者間で発生するトラブルへの考慮が必要です。周辺環境が変化して騒音や振動が発生することもあり、これらの問題により入居者が不満を抱く可能性も考慮しなければなりません。
以上のようなトラブルを回避するためには、中古マンションの購入前に、設備や施設の状態、建物の構造や耐震性能、周辺環境などを十分に調査し、リスクを把握することが重要です。
そして、入居者が快適に過ごせるよう、設備の改修や修繕、防音・振動対策などを行うことも忘れてはいけません。

海外不動産投資中古マンションへの投資が向いている人3選
海外不動産投資において中古マンションを扱うメリット・デメリットが理解できたところで、この章では中古マンション投資に向いている人のタイプ3選を紹介します。
必ずしもこれら3つのタイプでなければ中古マンションを扱えないというわけではありませんので、参考意見として読んで頂ければ幸いです。
初期費用を抑えたい投資初心者
海外不動産投資の初心者でできるだけ費用を抑えて投資を始めたい場合、中古マンションは選択肢の1つになります。
同じエリアの新築物件に比べて低価格である物件が多いので、リスクを抑えつつ投資を開始することが可能です。
中古マンションの場合、実際に建物や設備の状態を確認し、周辺環境を調査することができるので、現地に足を運ぶことで物件の実情を把握し投資リスクを抑えることもできます。
また、不動産取得税や登記費用などの税金や手数料が新築物件に比べて低いことが、初期費用を抑えることにつながります。
投資対象国の事情にくわしい人
投資対象国の事情に詳しい人は、物件の価値を正確に評価し適切に選ぶことができ、投資対象国の経済状況や市場動向を把握して、将来的な収益性を予測することも可能です。
現地の文化や言語を理解しているため、物件の購入や管理、入居者との交渉などもスムーズに行えるでしょう。
その国の税金や法律に関する知識を持っていることが多く、その場合、税金や法律に関するトラブルを回避することにも長けています。
このように投資対象国の事情に詳しい人は、リスクを抑えながら的確な投資を行うことで、海外不動産投資において成功する確率が高くなるでしょう。
信頼できる海外不動産仲介業者を知っている人
海外不動産投資において、新築マンションを購入する際は、物件の設備の品質が高いかどうか
が重要なので、デベロッパーや施工業者の信頼性を確認することが重要です。
これに対して中古マンションの場合は、設備や建物の老朽化などが原因で入居者から不満が出ることもあるので、購入時の物件の状態が一番大切です。
また、管理会社が適切に運営していない場合、建物の維持管理や入居者対応などでトラブルが生じる可能性があるので、管理会社の信頼性をチェックする必要があります。
このように新築マンションと中古マンションでは確認すべき事項が異なり、中古マンションの場合は、現地の投資物件に精通した信頼できる仲介業者を知っている人が向いていると言えます。

海外不動産投資で中古マンションに投資するときのチェック項目6つ
不動産投資では動かす金額が大きいため、細心の注意を払って臨むことが必要です。ここでは特に、海外の中古マンションへの投資に絞り、失敗するリスクを避けるために最低限押さえたいチェック項目6つについて解説します。
有利な為替差か
海外不動産投資を行う上で、為替は無視できない重要な要素です。
有利な為替差とは、自国通貨と投資先の国の通貨の交換レートが、投資を行うタイミングにおいて、投資家にとって有利なレートであることを指します。
物件購入時においては、投資先の国の通貨に対し円高であることが望ましいと言えます。
例えば、1ドルが100円の時と130円の時に10万ドルの不動産を購入した場合、前者は1,000万円、後者は1,300万円のコストとなり、円高の方が300万円も有利になります。
売却時においてはこの逆で、円安の方が収益が大きくなるのは明らかです。
また、海外不動産投資では投資した国の通貨で家賃収入を得られるので、物件売却時と同様に円安の時の方が円へ換金したときに入って来る家賃収入も大きくなります。
その逆のパターンで円高に振れると、家賃収入が目減りすることになりますので、しばらく外貨でプールしておいて日本円に換金するタイミングを図る対策も必要です。
特に物件の購入や売却時は大きな金額を扱うことになるので、為替状況が有利かどうかを判断してタイミングを計ることが重要です。
このように為替は海外不動産投資の収益に大きな影響を及ぼす要因なので、物件購入を考えている国の通貨価値の乱高下が激しい場合、投資を見合わせた方が賢明でしょう。

投資する国の中古マンション市場が活発か
海外不動産投資において、中古マンションを利用する場合は、不動産市場が活発な国を選ばなければ、家賃収入もぱっとせず売却時に赤字となるリスクがあります。
中古マンション市場が活発な国かどうかは、下記のような要因を見て判断します。
- 不動産市場の成熟度
不動産市場が成熟している国では、中古マンション市場も比較的活発です。成熟した不動産市場であれば、物件の供給量や需要が安定しており運用しやすい投資環境が期待できます。 - 経済成長率
中古マンション市場が活発な国には、経済成長率の高い国が多く存在します。経済成長率が高い国では人口増加や都市化が進むため、中古マンション市場が活況を呈する傾向があります。 - 人口動態
人口動態によって、中古マンション市場の需要が変動することがあります。例えば、高齢化が進む国では、高齢者向けの中古マンションが需要を集めるのが一般的な傾向です。 - 観光需要
海外からの観光需要が高い国では、中古マンションを民泊や短期賃貸用に活用することができるため、中古マンション市場の活況が期待できます。
以上のポイントを踏まえた上で、中古マンション市場が活発な国を選びましょう。

投資する中古マンションに現状で空室が多くないか
海外不動産投資における中古マンションで空室が多い物件を選んでしまうと、家賃を下げざるを得なくなり収益率が低下することがあります。
空室が多い中古マンションには下記のような問題を抱えている可能性がありますので、物件選びのときに特に注意が必要です。
- 地理的な立地条件
物件がある場所が、交通の便が悪かったり周辺にショッピングセンターやレストランなどの生活施設が少ないなど不便なところの場合、入居希望者が少なく空室が発生しやすい傾向があります。 - 不動産市場の供給過剰
不動産市場において供給過剰が発生すると、中古マンション市場でも物件が余ってしまい、入居希望者が少なくなることがあります。 - 設備や内装の古さ
中古マンションの場合、新築物件に比べて設備や内装が古いことが一般的です。老朽化している設備や内装は、入居希望者のニーズに合わない場合があり、空室が発生しやすくなります。 - 管理の不備
「入居者からのクレームに対応できない」「清掃や修繕が不十分」など、管理面で不備がある場合も、入居者の退去や入居者が少なくなる原因となることがあります。
これらの要因を事前に把握して、投資物件の選定や運営方法の改善を行うことで、空室対策につなげることが重要です。
修繕が必要な部分が多すぎないか
海外不動産投資において中古マンションは購入価格が安いメリットがありますが、物件選びは慎重に行わないと修繕費用がかさむと利益につながらないこともあります。
中古マンションで、修繕が必要な部分が多い物件の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 建物の経年劣化による老朽化 :水回りやエアコンなどの設備
- 自然災害による被害 :洪水や台風、地震等による建物の損傷
- 建物の不備や欠陥 :断熱材や防音材の不備、水漏れや雨漏りなどの建物の欠陥
- 建物管理の不備 :共有部分の清掃や修繕が不十分
これらの要因によって、修繕や改修費用がかさんで投資効果が低下する可能性があるため、事前に物件の状態を確認し、修繕費用を見積もることが重要です。
今後も修繕にかかる費用が大きいと予想される物件は、購入を避ける必要がありますので、このあたりの見極めは重要です。
中古マンションの周辺環境は良好か
海外不動産投資における中古マンションでの周辺環境を確認するポイントとして、「交通アクセス」「生活施設の充実度」「自然環境」そして「安全性」があげられます。
交通アクセスや生活施設の充実度、自然環境などは、日本で不動産を購入するときにチェックするポイントなので簡単に想像できると思います。
しかし、安全性については、日本人はつい見落とすことがあります。
日本ほど治安が良い国は少ないので、海外不動産投資においては物件周辺の治安状況が良好であるかどうかを確認することが重要です。犯罪が多発している地域では、入居希望者が減少し空室率が高くなることがあります。
また、海外不動産投資においては、将来的に生活人口が下がる地域かどうかも考慮することが大切です。
確認方法として、投資先の国や地域の人口統計データや人口動態統計データを用い、特に、若年層の人口減少が進んでいる場合は注意しましょう。
それ以外でも、物件周辺の開発計画や建設予定地を確認し、将来的に需要が高まる可能性があるかどうかを判断することが必要です。
購入価格は妥当か
海外不動産投資における中古マンションの購入において、価格が周辺相場と比べて妥当かどうかを判断する必要があります。
相場よりも高い物件を購入してしまうと、家賃設定を下げなければ入居者が確保できなくなるなど不都合が生じ、収益率にも影響してしまいますので慎重に判断しましょう。
価格の妥当性を知る方法としては、同じような仕様の物件価格を比較する方法があります。同じエリアで同じスペックの物件価格と比較することで、投資物件の相場や妥当な価格帯の把握が可能です。
それでも判断が難しかったり同等な物件が見当たらない場合は、現地の不動産業者に相談することで、その物件価格の妥当性を判断することができます。

よくある質問
最後になりましてが、海外不動産投資において中古マンションを扱う場合によくある質問4つについて回答します。初心者の方など質問として思いつかない内容もあると思いますので、是非、参考として下さい。
日本とアメリカの中古マンション投資の大きな違いは?
日本の中古マンション市場は、人口減少や少子高齢化の進行により、物件の価格が段階的に下落する傾向があります。
一方、アメリカの中古マンション市場では、人口増加が続いており物件の耐用年数も長いことから、価格が急激に下落することは少なく、市場全体の緩やかな成長が予測されています。
また、日本ではローンの審査基準が厳しく、多くの場合、高い自己資金が必要となりますが、アメリカでは比較的簡単にローンが組めるため、初心者でも手軽に不動産投資を行うことができます。
海外不動産投資で中古マンションを購入するときに目安になる築年数はある?
海外不動産投資において、中古マンションを購入する際の目安となる築年数は一概に決まっていません。
一般的には、築10年程度を目安とする投資家が多いようです。ただし、物件の管理状況やリフォーム歴、設備の状態、耐用年数なども重要な要素となるため、築年数だけで判断することは避けるべきでしょう。
物件を購入する前に、現地の不動産業者や専門家に相談し、物件の状態を詳しく調査することが重要です。また、投資目的や収益目標に応じて、物件選びを慎重に行うことが大切です。
投資する海外の中古マンションをリノベーションするときに気をつけることは?
海外不動産投資において、中古マンションをリノベーションする際に気をつけることは、以下の3点です。
- 現地の法律や規制を事前に確認し対応すること
- コストを適切に見積もること
- 信頼できる業者に依頼すること
特にリノベーションのコストの見積りの際は、リノベーション内容が最低限の内容であり、工事期間が長ければそれだけ収益が入らないことになるため適切かどうかのチェックが必要です。
また、信頼できる業者に依頼することで、施工品質やコスト面でのリスクを最小限に抑えることができます。
これらのポイントを押さえて、リノベーションを行うことで、投資物件の価値を上げ収益を最大化することが可能になります。
中古マンションで減価償却による節税ができなくなったのは本当?
個人の場合は、2019年10月1日に施行された「平成30年度税制改正」により、2022年の確定申告から、海外不動産投資では減価償却費を費用計上できなくなりました。前述通り、法人においては可能です。
この改正は、特に裕福層の海外不動産の個人所有者が、減価償却費用を節税のために利用することを防ぐために導入されました。
個人による海外不動産投資は税金面では不利となりましたが、投資リターンが高く、資産多角化にも役立つというメリットがありますので、専門家のアドバイスを受けながら投資を検討するといいでしょう。

まとめ
海外の中古マンション投資には、初期費用を抑えることができて、新築マンションの欠陥を避けられるなど、初心者でも取り組みやすいメリットがあります。
しかし、その一方で中古マンションにおける物件選びで見るべきポイントやリスク、事前調査が重要であることも理解頂けたと思います。
初めて海外不動産投資に取り組むにあたって資金が少ない場合は、中古マンション投資は有望な選択肢のひとつです。
記事の後半でご紹介した「為替差」「中古マンション市場」「空室リスク」「修繕箇所の多さ」「周辺環境」「購入価格の妥当性」といった6つのチェック項目をしっかり押さえることで、初めての方でもリスクを抑えることが可能です。
少子高齢化がすすむ日本での不動産投資は、一部の地域を除いて収益性への不安が予測されているので、海外の中古マンション投資への取り組みを検討するのもいいでしょう。