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東南アジアは不動産投資|おすすめ国や投資を成功させるコツや失敗例を紹介

東南アジアは不動産投資|おすすめ国や投資を成功させるコツや失敗例を紹介

多様な文化や言語、経済の特性を持つ東南アジアは、世界中の投資家にとって様々な投資チャンスがあることから、人気の高いエリアです

特に不動産投資においては、それぞれの国において高い経済成長率と政府による投資促進政策などが功を奏し、不動産市場が急拡大しており、高い利回りでの運用が期待できる状況にあります。

しかし、不動産市場が急拡大中である一方で、様々な要因により不動産の売買取引や運用が失敗してしまうケースは、まだまだあとを絶ちません。

本記事では、東南アジアにおける不動産投資について、おさえておくべき基本情報から、国別の特徴、そして失敗事例と成功のコツについて詳しく解説していきます。

目次

東南アジア全土の情勢

海外不動産投資を行う際、投資先の国やエリアの不動産価格に大きな影響を与える政治や経済の状況、人口統計データなどの動きは、常に最新情報にアップデートしておくことが大切です。

ここでは、現地の不動産価格にも影響をおよぼすことが予想される3つの情勢について、解説していきます。

ASEAN経済は過去20年で6倍に成長

ASEAN(東南アジア諸国連合)経済は、1997年のアジア通貨危機を乗り越え、その後約20年間に渡り、6倍規模にまで成長しています。

GDP(国内総生産)と人口がともに増加することで、中流階級層が拡大し、今では世界有数の消費市場となったASEANは、貿易や海外からの投資においても重要な拠点となっています。

経済が上向きな国では、不動産価値も連動して上昇するため、経済が成長中の国に照準を絞ることで、有益な不動産投資先の決定につながります。

各国で人口が増加中

東南アジア諸国では、2002年から2019年の間で軒並み、人口が順調に増加の一途を辿っています。
不動産投資において高い人気を誇るフィリピンやマレーシア、シンガポールなどは、同期間での人口増加率が30%以上となっており、人口増加に乗じて不動産の需要も上昇していきました。

人口推移は、不動産市場の動きに直接的に影響を及ぼす要因であるため、不動産投資先を判断する際には重要な材料となります。

国民所得が増加している国がほとんど

東南アジアでは経済成長に伴い、国民所得も増加傾向が続いてきました。
国民所得は、各国の経済対策や主要産業によって、増加率にはばらつきが生まれていますが、概ね高い水準で上昇しています。

過去20年間の日本の国民所得増加率が平均1.2%程度であったのに対し、ベトナム、タイ、カンボジアでは7%前後の平均増加率となっており、経済の急成長ぶりを見てとることができます。

国民所得の上昇は、不動産価格の上昇にも影響を及ぼす一方で、必ずしも経済成長が所得増に反映されないケースもあるため、不動産投資先のリアルな国内情勢を検証するうえでも役立つ指標となるでしょう。

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東南アジア不動産の基本情報

一般的に「東南アジア」とは、ASEANに加盟している10カ国を指します。
そしてこの「東南アジア」という一括りにされた大きな不動産市場には、大きな特徴がいくつか存在しています。

ここからは、東南アジア全体の不動産市場の傾向をつかむため、近年の動向や市場の特徴について解説していきます。

不動産価格に大きな差が生まれている

経済成長に伴う不動産需要の上昇のおかげで、順当な不動産価格の上昇が期待できそうな東南アジアですが、国ごとの不動産価格には、大小の差が見られるようになっています。

通常は日本よりも格安な物件がほとんど

東京やニューヨークなどの先進国の大都市と比較すると、基本的に東南アジア諸国の不動産価格は「安い」と感じる物件がほとんどです。
例えば、経済成長も人口増加も順調なインドネシアでは、物価水準が低いことや、中古不動産市場の動きが活発であることから、比較的低価格帯の物件が多いという特徴があります。

シンガポールの物件は東京よりも高額

シンガポールは、他の東南アジア諸国に比べて、不動産価格が非常に高く、ほとんどが東京よりも高額な物件です。
これは、シンガポールの不動産市場が、需要過多と供給不足に陥っていることから、不動産価格が急騰してしまっているためです。

外国人は投資できない国がある

東南アジアでは、政府が外国人投資家に友好的な政策を進めている国と、そうでない国があります。

海外不動産投資においては、外国人による不動産投資が行いやすい国を選んだ方が、様々な点において圧倒的にメリットが多いため、各国の規制はしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。

例えば、不動産投資先として人気の高いマレーシアでは、外国人による不動産購入に際し、最低購入金額や物件条件が州ごとに定められていますが、多くの州においては、外国人であっても住宅・土地共に所有権の取得が可能です。

次に、同じく不動産投資の人気国タイでは、外国人はコンドミニアムの所有が認められている一方で、土地を含む一戸建て住宅を所有することが原則できません。

しかし、4,000万バーツ(約1億5,000万円)以上の投資資金を保有している場合に限り、1,600平米を上限に、外国人でも土地の購入が認められます。

平均利回りが5%を超える国が多い

その国の不動産の平均利回りは、不動産市場の状態を読み解くうえで非常に有効な指標です。
不動産投資に人気の高い東南アジア諸国の、2022年時点での平均利回りは以下の通りです。

平均利回り
インドネシア7.09%
フィリピン6.13%
カンボジア5.33%
タイ5.13%
ベトナム4.33%
日本2.66%

東南アジアの国々の平均利回りは、概ね5%以上となっており、2%台の日本と比較しても、非常に不動産投資の適したエリアであることがわかります。

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投資物件はコンドミニアムが一般的

東南アジアにおける不動産投資では、住宅よりもコンドミニアムへの投資が主流です。

「リゾート型賃貸マンション」とも呼ばれるコンドミニアムは、オーナーが不在時には観光客などに貸し出すことができるため、人気の高いリゾート地であれば、安定したインカムゲインを狙えることが、投資物件として人気が高い最大の理由です。

かねてより、海外不動産投資家の間で人気が高かったこともあり、外国人による不動産投資の規制を進めている国々においても、コンドミニアムの購入は許可されているケースがほとんどです。  

日系企業が参入している国が多い

東南アジア諸国には、製造業を中心に多くの日系企業が拠点を構えており、日本人街や日本人が経営する不動産会社があるなど、日本人をターゲットとした不動産がその国の不動産市場の中で一定のシェアを確保している国があります。

日本人に限らず、東南アジアには欧米企業も数多く進出しているため、都心部や工業地帯などでは、外国人向け不動産の需要が高い傾向にあります。

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東南アジアへの不動産投資をおすすめする理由

外国人による不動産投資の規制の厳格化や、需要と供給のバランス変動が激しい東南アジアですが、それでも、日本からの不動産投資に関しては、まだまだ有益な点が多く残っています。

ここからは、東南アジアへの不動産投資がおすすめである理由について解説していきます。

各所で計画的な都市の再開発が行われている

東南アジアでは、各国で都市開発が活発に進められており、不動産投資においても見逃せない新興エリアが続々と誕生しています。

各国の再開発の大きな傾向としては、まず、首都圏内の交通網整備や、地方都市と首都圏とを結ぶ交通インフラの拡充のような交通・物流系開発があげられます。
そして、新都市の建設、または湾岸エリアや鉄道沿線上の街全体における大規模複合都市の開発という広域に渡る都市開発のいずれかのパターンで開発が進められています。

交通インフラの拡充を含む都市の再開発が計画されている国やエリアでは、開発工事完了後の人や企業の流入による不動産需要の高まりが予想されます。

そのため、開発の計画段階で現地の不動産を安値で購入しておくことで、近い将来、大きく不動産価値が上がった際に、高値での売却や高い利率での運用が実現する可能性が高くなるのです。

高級マンションが安く購入できる

東南アジアの不動産市場は急成長を遂げているものの、まだまだ不動産の平均価格はその他先進国と比較すると低水準であるため、高級物件にも比較的手を出しやすいというメリットがあります。

各国の高級マンションの賃料水準を比較してみると、日本と東南アジアでは大きな差があることがわかります。

東京の高級マンション賃料を100とした場合の各国の水準比較
東京100
シンガポール119.5
クアラルンプール30.5
バンコク40.6
ジャカルタ47.9
ホーチミン21.1
(参考)ニューヨーク209.0
東京の高級マンション賃料を100とした場合の各国の水準比較

一般財団法人日本不動産研究会による調査データを元に作成)

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現地に足を運びやすく物件の吟味がしやすい

海外不動産投資において、投資先の国の内情や雰囲気、物件状態の確認や、鮮度の高い現地情報へのアクセスのためにも、訪問しやすい国へ投資する方が、失敗のリスクを抑えることが可能です。

東南アジア諸国はいずれも、日本からのアクセスの利便性が高く、比較的容易に現地を訪れて物件を吟味できることから、このような不安要素を払拭し、様々なリスクを最小化することが可能なのです。

土地の購入ができる国もある

東南アジアでは、ほとんどの国において、外国人による現地の土地の購入や所有権の取得が認められていません。
ただし、10のASEAN加盟国全てで、土地の購入ができないかというとそうではなく、先述のマレーシアやタイのように、外国人による土地の購入に対して比較的寛容な国もあるため、土地購入を希望する場合は、各国の法体制をしっかり調べておくようにしましょう。

東南アジアの不動産投資でおすすめの国

不動産価格の低さや大規模な都市開発が活発に行われていることから、不動産投資先としての魅力もうま味も大きい東南アジア。
ここからは、特に人気の高い5カ国に絞って、不動産投資をおすすめする理由について、それぞれ解説していきます。  

フィリピン

フィリピンは、公用語が英語であることから、外国人の居住者も多いため、外国人向けの不動産取引に対応する形で不動産市場が成長しています。
フィリピンでの不動産投資においてメリットと働く点は、大きく2点があげられます。    

高い利回りを維持し続けている

フィリピンの国内不動産の、過去10年間の平均利回りは約5〜7%で、大きな変動もなく5%以上の高利回り状態が安定して維持されています。

ボラカイ島やパラワン島などのリゾートエリアと、マニラやセブなどの首都部の双方において、不動産需要の高止まりが続いてる点が大きな理由で、そのため、海外投資家からも安定した人気を得ています。

首都マリアで交通網の整備が進んでいる

フィリピンでは、前ドゥテルテ政権にて掲げられた大規模インフラ投資計画により、全土で様々なインフラ整備が進んでいます。
「Build, Build, Build」をスローガンとした本計画は現マルコス政権でも引き継がれ、マニラ首都圏を中心に以下のような交通網の整備が進められています。

  • 南北通勤鉄道計画(マロロスーツツバン)
    マニラ首都圏と南北の近郊エリアを結ぶ交通ネットワークの整備
  • マニラ首都圏地下鉄プロジェクト
    フィリピン初の地下鉄システム工事
  • 新都市「ニュークラークシティ」
    マニラ首都圏における​​慢性的な交通渋滞や人口過密の分散を目的とした新都市の建設
    首都圏と新都市を結ぶ交通ネットワークの整備も進行中

このような大規模交通インフラの整備により、マニラを中心として大きく経済圏が拡大することが予定されています。

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タイ

都市部だけでなく、リゾート地の不動産市場が活発なタイは、幅広い価格帯と豊富な物件タイプ、そして外国人投資家にも友好的な制度や雰囲気が大きな魅力の投資先です。

タイにおける不動産投資でメリットと働く点は、大きく2点があげられます。

東南アジアのハブ拠点として人の出入りが活発

タイは、東南アジア諸国の中でも、発展したインフラ機能によって、アジア圏における経済・物流の中心地としての役割を担っており、多くの海外企業が、アジア市場への進出のための拠点として、タイに支社や工場を構えています

また、世界有数の観光地として人気の高いタイには、多くの観光客が訪れるため、ビジネスと観光の双方において、タイは人の出入りが活発な国と言えます。
そのため、不動産需要も高く、不動産の運用においても、高い収益性と安定性が期待できるのです。

インフラの整備が急速に行われている

タイでは現在、交通インフラ整備のための複数の大規模プロジェクトが進められています。
特に鉄道網の整備には力を入れており、代表的なものとして以下のプロジェクトがあげられます。

  • バンコクと東北部のノーンカーイを結ぶ、タイ中高速鉄道
  • 首都圏の3つの空港を結ぶ、首都圏3空港高速鉄道
  • バンコクと北部チェンマイを結ぶ、新高速鉄道路線
  • バンコクと中国・広州を結ぶ、直通路線(タイ中高速鉄道がラオスで既存線に接続予定)

バンコクを中心に国内外への鉄道網が拡充されていくことで、アジアの物流拠点として、さらに重要なポジションとなっていくことが期待されています。

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マレーシア

近年、不動産投資家に対する規制緩和や優遇措置が設けられているマレーシアは、各国で投資規制の厳格化が進む中で、不動産投資先としての人気が再燃しています。

マレーシアでの不動産投資においてメリットと働く点としては、大きく2点があげられます。 

TOD計画で交通網が発達中

タイでは、鉄道の駅周辺に商業施設や住宅を建設することで、当該地域の経済活性化を図る「TOD(Transit-Oriented Development)計画」を推進しています。

これは、すでに進行中の、タイ国境に近い東の湾岸都市コタバルから西海岸のクランを結ぶ東海岸鉄道連絡線や、首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶクアラルンプール・シンガポール高速鉄道のプロジェクトと連動して進められています。

鉄道網の整備と同時進行で進められるTOD計画により、マレーシアの都市開発が一層加速していくことが予想されています。

戸建ての購入がしやすい

マレーシアでは、外国人が土地の所有権を取得することができるため、比較的容易に戸建て物件を購入することができます。

また、最大99年間の土地のリース契約を結べたり、不動産投資に対する税金の優遇措置がある点など、外国人が不動産投資を行いやすい環境が整備されています。

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ベトナム

経済成長に伴う人口増加により、不動産需要が高まりを見せているベトナムは、都市部の不動産を中心に、海外の不動産投資家から注目を集めています。

大きな潜在力を有するベトナムにおける不動産投資でメリットと働く点は、大きく2点があげられます。

2015年に外国人の不動産投資が可能になった

2015年、ベトナム政府は、外国人の不動産所有権に関する規制の緩和を行いました
この改正により、制限付きではあるものの、以下のような形で外国人による不動産投資が解禁されました。

  • コンドミニアム1棟につき、全戸数の30%までの所有を認める
  • 戸建て住宅は、1街区につき、250戸までの所有を認める
  • いずれの物件タイプにおいても、所有期間は最長で100年間

それまで不動産投資先としては、他国の影に潜んでいたベトナムですが、法改正以降の不動産市場は一気に活気づき、潜在力の高い市場に多くの投資家が参入しています。

日本より税金が安く収益率が高い

ベトナムは、不動産の購入・所有にかかる各種税金が、日本や他のアジア諸国と比較しても安いため、表面利回りと実質利回りの差が小さく、収益性が高いというメリットがあります。

例えば、不動産を貸し出した際の家賃収入に対する個人所得税は、通常であれば5%、月の家賃収入が840万ドン(約48,000円)以下、または年間で1億ドン(約57万円)を下回る場合は非課税です。
加えて、売却益に対する個人所得税も安く、売却価格に対して2%が課されます。

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カンボジア

外国人による不動産投資に対し、政府が積極的な支援の姿勢を見せているカンボジアは、比較的安定した政治情勢のもと、不動産市場や法制度の整備が進められていることから、外国人投資家にとっても安心感の高い投資先です。

カンボジアでの不動産投資においてメリットと働く点としては、大きく2点があげられます。    

利回りが良くキャピタルゲインが狙いやすい

カンボジアは近年、突出した高い経済成長を遂げている国で、人口増加率、国民1人あたりの所得ともに他の東南アジア諸国よりも高くなっています。

不動産需要が高く、不動産価格の値上がりが期待できるため、利回りは5.33%と高く、売却時のキャピタルゲインを狙いやすい状態にあります。

米ドルで資産運用ができる

カンボジアには、「リエル」という自国通貨があるものの、あまり流通しておらず、流通している通貨の約90%が米ドルです。
購入・運用・売却のすべてにおいて、基本的にドル建てで行うことが可能で、多くの投資家にとっては為替差損リスクを最小化することができます。

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東南アジア不動産投資でよくある失敗例

まだまだ発展途上で、高い将来性を有している東南アジアは、多くの不動産投資家たちの間で高い人気を博していますが、その一方で、発展途上ならではのリスクも存在します。

ここからは、東南アジアでよく見られる、3パターンの不動産投資失敗例を紹介していきます。

プレビルド物件を購入してたが頓挫した

新築不動産において、物件が完成する前の建設中の段階で、購入価格の一部を支払うという購入方法は「プレビルド方式」と呼ばれます。

日本ではあまり馴染みがありませんが、東南アジアを含む新興国での新築コンドミニアムは、この購入方法を用いた「プレビルド物件」として売り出されていることが珍しくありません。

販売開始価格が安く設定されているプレビルド物件を購入し、竣工直前、または直後に値上がりしたところでの売却により、大きな差益が狙えるため、投資家の間では人気が高い物件タイプです。
その一方で、予定通りに工事が進まない、工事が途中で中止になる、工事再開の目処がたたないなどを理由に、代金の一部を支払ったまま、泣き寝入りとなってしまうリスクが依然として高い状況にあります。

リゾートコンドミニアムの開発が盛んな東南アジアでは、不動産投資の失敗事例としても頻繁に見かけるケースとなっているため、ディベロッパーや販売店の見極めには注意が必要です。

ルーズな対応が原因でインカムゲインを取りこぼした

外国人による不動産投資が活発に行われているから、不動産取引もスムーズに行えるかというとそうではありません。

東南アジア諸国のほとんどの国においては、国内市場の整備が追いついておらず、手続きや運用の各所で不便さを感じることが多々あります。
様々な対応が遅いため、賃貸経営を安定軌道にのせるまでにも時間がかかってしまい、当初予定していたスケージュールでインカムゲインを得ることができず、損失が膨らんでしまうケースも珍しくはないのです。

修繕費や内装施工費がかさんでしまった

東南アジアでは、家具家電付きで魅力あるインテリアと設備であることが入居率を高めるポイントとなることから、購入後の内装リフォームと各種設備の施工工事が必要となるケースがほとんどです。

そこで、ついつい設備費や内装施工費がかさんでしまったり、業者から高額な請求をされたりすることがあります。
また、建築施工技術においても、業者によって品質の差が激しいため、購入後間もなく修繕が必要になるケースも少なくありません。

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東南アジアでの不動産投資を成功させる6つのコツ

東南アジアでの不動産投資は、事前に周到なリスクヘッジを行うことで、投資を成功に導くことができます。
ここからは、東南アジアでの不動産投資を成功させるためにおさえておくべき、6つのコツについて解説していきます。  

現地に信頼できる不動産事務所がある国を選ぶ

不動産市場が急速に拡大している東南アジアにおいては、国内の情報統合が未整備で、非居住者が国外から信頼性の高い情報を得ることはハードルが高いのが現状です。

そのため、現地事務所を構えている日本の不動産会社を選ぶことで、様々な手続きや相談もスムーズに進めることができます。
加えて、日本の会社が現地の不動産会社と提携している場合も多いため、その場合は提携先がどのような企業であるかの事前リサーチも忘れないようにしましょう。

ローンが組めても金利が高いケースが目立つ

東南アジア諸国のほとんどの国において、外国人が住宅ローンを利用することはできません。

一部、現地銀行で外国人向け住宅ローンを提供しているケースもありますが、ローンを利用できても高い金利が設定されていることが大半であるため、基本的には、「現金一括」での購入を前提として準備を進めましょう。

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通貨の持ち出しに制限があるか予め確認する

東南アジア各国では、外貨と現地通貨のそれぞれにおいて、持ち出し・持ち込みの限度額を設け、上限以上の額に対しては税関申告が義務付けられていたり、そもそもの持ち込み・持ち出しを禁止していたりします。

例えばフィリピンでは、以下のような規制が設けられています。

  • 1万USD相当額以上の外貨(現金、小切手、有価証券等および貴金属類を含む)の持ち込み・持ち出しには税関申告が必要
  • 現地通貨のペソは、5万ペソ以上の持ち込み・持ち出し禁止

この規制を違反した場合、摘発や押収に発展するケースも珍しくはありません。

加えて、日本でも、100万円相当額以上の円や外貨を持ち込み・持ち出しする際には、税関申告義務が生じ、違反者には5年以下の懲役、または500万円以下の罰金、もしくは両方の罰則が科されます。

ついつい忘れてしまいそうなことですが、不動産投資では、多額のお金が現地と日本とを行き来するため、事前にしっかりと各国の法制度を比較検討したうえで、投資先を決めることをおすすめします。

経済格差を考慮した不動産経営が必要

現時点では、東南アジア諸国のいずれの国においても概ね経済は成長過程にありますが、今後どの程度の期間で成長が頭打ちとなるか、鈍化してくるかを事前に予測したうえで投資先や物件を選びましょう。

例えば、不動産投資国として人気の高いタイは、すでに少子高齢化が社会問題となっており、合計特殊出生率はすでに日本と同水準となっています。

高齢化や経済格差は、不動産価格にも大きな影響を及ぼし、後々の投資成果を大きく左右するため、各国の情勢を注視していくことが大切です。

主要産業の動向にも目を向けておく

東南アジア諸国の主な産業は、農業・工業・観光業の3つが代表的ですが、その大半が海外企業のアジア拠点、または海外企業の下請けや提携関係企業によって成り立っています。

東南アジアの各国は、海外市場の動向に経済が影響を受けやすい環境下にあり、その影響は現地の不動産需要や価格にも大きく響いてきます。

一例として、インドネシアの主要産業であるパーム油関連の業界動向を見てみましょう。

インドネシアは、パーム油の世界最大の生産国・輸出国で、全世界で供給されるパーム油の約6割がインドネシアで生産されていますが、パーム油の原料となるアブラヤシの農園経営や加工事業に、多国籍アグリビジネス企業の参入・投資拡大が相次いでいます。

食用油やマーガリン、石鹸や洗剤などの生活用品やバイオディーゼルといったパーム油関連商品の需要が、中国やインドなどの急成長の国において今後一層高まることが予想されているためです。

海外資本の流入が活性化している一方で、パーム油による自然環境破壊や労働問題、人体への健康被害を懸念し、SDGsの観点から代替パーム油への切り替えを進める動きもEUを中心に広がっています。

このように、パーム油産業の将来は海外資本の判断による部分が多く、ある企業の決断をきっかけに、産業の盛衰が決まってしまう状況にあります。

もちろん主要産業であるパーム油産業が衰退すれば、インドネシアにおける工場やオフィスビル、駐在員向け住宅などの需要は減少しますし、活性化すれば、不動産需要も高まるでしょう。

「風が吹けば桶屋が儲かる」と言うように、不動産投資においても、様々な要因が間接的に不動産価格や市場に影響を及ぼすことを念頭に置いて、まずは現地経済の要となっている主要産業の動向チェックを行うようにしましょう。

急激に人口が伸びている地域を探す

東南アジア全体で見ると、人口は増加傾向にあるものの、各国間で比較するとばらつきが生じているため、不動産投資先を選ぶうえでは、近年人口増加率が急激に伸びている国を選ぶとよいでしょう。

少子高齢化が進むタイでは増加率が4.4%であるのに対し、マレーシアでは35.9%、シンガポールは38.1%と高水準で増加傾向にあります。

人口増加が著しい国ほど、今後の不動産需要や価格の上昇が見込まれるため、高い利回りでの運用や大きなキャピタルゲインが期待できます。

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東南アジアの不動産投資に関しての質問

ここからは、東南アジアでの不動産投資を検討する際に、多くの人が抱く不安や懸念点に対して、回答していきます。

東南アジアの不動産情報はどのように収集すればいいですか?

現地に支店を構えていたり、現地の不動産業者と提携している日本の不動産会社を介して情報収集することをおすすめします。

東南アジアでは、不動産市場が未整備な部分が多々あり、様々な情報が錯綜しているため、情報の信頼性や鮮度という点から、現地に精通した専門家のサポートを受けながら、現地を実際に訪問する方が得策です。

セミナーやインターネット上の情報は、自分の資産状況や投資目的にそぐわない情報が含まれていることもあるため、基本的には現地で自分自身が体感して情報を得た方が、後々のリスクヘッジにもつながるでしょう。

現地の言語を理解していないといけないですか?

必ずしも、現地の言語を習得しておかなければならないというわけではありません。

ただし英語は、現地業者とのやり取りに用いられるケースが多いため、意思疎通や書類の内容確認のためにも、理解できた方がよいでしょう。
自分で全てのやり取りを英語で行うことは負担が大きいため、日本の仲介業者に入ってもらったほうが、スムーズに進めることができます。

東南アジアの不動産はコロナの影響を受けていますか?

世界的に新型コロナウイルスが蔓延した2020〜2021年ごろは、経済活動を停止したということもあり、低迷したものの、現在はすでに回復しています。

しかし、2022年から続いているロシアによるウクライナ侵攻により、不動産建築に必要な資材価格の高騰や不足が深刻化していることから、今後の不動産価格に影響が出てくることが懸念されています。

まとめ

今回は、海外不動産投資において高い人気を誇る東南アジアに焦点を当てて、各国の特徴や投資メリット、注意点や成功するためのコツについて、解説してきました。

一時期よりも経済成長や人口増加が緩やかとなってきたものの、今後も引き続き、東南アジアでは、個人消費と投資の拡大が見込まれ、不動産需要が高い状態で維持されることが期待されています。

高い収益性と新興国ならではのリスクを併せ持つからこそ、丁寧な事前リサーチと計画が重要となってきますので、これから東南アジアへの不動産投資を検討される方は、ぜひ今回の記事を参考に進めてください。

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この記事を書いた人

三井邦弘のアバター 三井邦弘 ブログ編集長

日本生まれの韓国人。関西大学卒業後、ソウルでガイド事業開始。2010年EC運営会社設立。2013年製菓製造販売業開始。2016年和食レストラン開始。2018年ウェブマーケティング会社設立。2019年Token NewsのKorea Managerを担う。現在、アジアとアフリカへ投資(企業、不動産、ETF)実行中。

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